カタメルハイスクール番外編「博麗霊夢の放課後」

作:七月


ある日の夜分、八雲家にて
「ねえ霊夢・・・まだ怒ってる・・・?」
おずおずと尋ねるのはこの家の家主、八雲紫だった。
紫の前にはニコニコと薄ら寒い笑いを浮かべながらご飯を黙々と食べ続ける霊夢がいる。
紫にとって霊夢はお隣さんで、生活能力0の紫は、たびたび霊夢の世話になっていた。
このご飯も霊夢が作ってくれたものだ。
怒ってはいても一応こういうことはしてくれた、のは何だかんだで霊夢も根は優しいからだろう。
「身体検査、私たちを固める必要は全く無かったらしいわね。」
「えーっと・・・・」
「しかも私たちを石化させた後、夕方まで一体何をしていたのかしら?」
「えと・・・その・・・」
「いやらしい・・・」
ぐさあ。
と紫の胸に霊夢の言葉が突き刺さった。
霊夢は鬼巫女モードのようだ。
さっきからその無駄な笑顔が怖い。
だが、負けるな紫!私はこういったときの対処法をしっかりと心得ている!
紫は霊夢の機嫌を直すべく行動に出た。
「れ・・霊夢。」
「何よ・・・」
紫がスキマから何かを取り出す。
「お米券あげるから許して!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・もう、仕方ないわねえ。」
手のひらを返したように上機嫌になった霊夢は、そう言ってしっかりと霊夢はお米券を受け取った。
「許してくれるの?」
「お米券に免じてね。」
「ありがとうれいむー。大好きー。」
「うわあ!ひっつくなあ!スキマ妖怪!」
これが、二人の日常。



数時間後
「さて、一通り家事も終わったしもう帰るわ。」
霊夢は玄関へ向けて歩き出した。
「えーっもう帰るの?せっかくなんだから泊まってきなさいよ。」
「あんた明日は学校でしょうに。とっとと寝なさい。」
「うう・・・」
紫は残念そうに霊夢を見るが、霊夢は特に気にせずに玄関の扉に手をかけた。
「どうしても帰るの?」
「どうしても。」
「なら仕方ないわね。それっ!」
扉を開いた霊夢を突然紫が後ろから押し出した。
「ちょっとなにする・・・え?」
霊夢はそのまま家の外・・・ではなく、玄関の向こう側にぱっくりと口を開けていたスキマへと落とされる。
そして
ポイッ、ドスン
「ぐぎぎ・・・。」
霊夢はとある部屋にそのまま落とされた。
「いらっしゃーい。」
「やっぱりここって・・・」
そこは紫の寝室だった。
そしてなぜか紫は全裸で待っていた。
「紫!あんた何する気!?」
「もちろんこうする気。」
パチンと紫が指を鳴らすと霊夢の衣服が消えた。
「きゃあ。あんた何したのよ!」
全裸でその体を見られまいと縮こまる霊夢に紫は微笑を浮かべながら言う。
「着衣と全裸の境界をいじくったわ。」
「めちゃくちゃだな!鈴の言葉を借りるのならくちゃくちゃだな!」
「何とでも言いなさい。さあ一緒に寝ましょ♪」
そういって霊夢を捕まえると、紫は布団にもぐりこんだ。
「バカ!紫やめなさい!」
「ねえ霊夢。そんなに私と寝るのはいや?」
紫は悲しそうな顔で霊夢を見つめる。
そんな紫に対し霊夢は少し顔を赤らめながら言った。
「いやじゃない・・・けど・・・
最近私お風呂にちゃんとは入れてないから(ど貧乏)・・・からだが綺麗じゃないし・・・」
「ふふ・・それなら簡単よ。」
内心(ツンデレイムキター)と叫びたいのを我慢して紫はぱちんと指を鳴らす。すると
すうっ、と体が何かすっきりした気分になったように霊夢は感じた。
「ふふ・・・清潔と不潔の境界をいじくったわ。」
「もう何でもアリだな、あんたの能力!」
「でもほら・・・これで・・いいでしょ。」
「・・・分かった・・・」
霊夢は顔を真っ赤にして頷いた。



「ん・・ああっ」
霊夢の裸体を紫の手が撫でる度に霊夢のあえぎ声が響く。
紫は霊夢の体をやさしく、まるで美術品を扱うかのように触る。
だが、二人のこの行為には何かおかしいところがあった。
それは、紫が触れたところから霊夢の体が白く、まるで大理石のように変化しているというものだった。
「んん・・紫・・」
「ふふ・・霊夢の胸・・・もうかちこちね・・・」
その言葉通り、霊夢の胸はすでに完全に大理石になってしまっていた。
紫は手を、胸を、足を、自分の全てを使って霊夢を愛でた。
そして、紫が霊夢を愛でるたびに霊夢の体は白く、固く変化していく。
やがて、霊夢の首から下は、紫によって全て大理石へと変わってしまった。
「どう・・・?人間と彫像の境界をいじくられる気分は・・・?」
「・・・本当・・・常識はずれね・・・。」
「幻想郷では常識に捕らわれてはいけないのよ?」
「あんな緑の腋巫女の台詞を言わないの・・・あんっ・・・」
紫が霊夢の頬に触れるとそこがまた、白く変化してしまった。
「さて、霊夢・・・このまま逝かせて欲しい?」
「・・・・・」
霊夢は何も言わずにこちらを見つめる。
本当は頷きたいのだろうが、すでに首が固まってしまい動かないのだろう。
「じゃあ・・言うことがあるわよね?」
「・・・を・・・」
霊夢は顔を真っ赤にして意を決したように言う。
「私を・・・紫のモノにして・・・」
「ええ・・・」
そういうと紫は霊夢に口付けた。
「んんっ・・・」
そして変化は急激に訪れる。
紫が口付けをした瞬間、霊夢のまだ人間だった部分が一瞬で白く、固く変化してしまった。
「ぷは」
と紫が口を離すとそこには完全な彫像となってしまった霊夢が横たわっていた。
キスしたまま固まったのでその口はかすかに開かれており、その焦点を失った瞳は彫像となった後も紫を見つめているようだった。
紫はそんな霊夢の彫像に触れる。
目、頬、唇、胸。
どれも固く滑らかな肌触りがした。
「霊夢・・・綺麗よ・・・」
紫は自分のモノとなった霊夢の彫像をしっかりと抱きしめる。
ひんやりとした無機的な感触がした。
私はやっぱりこの子が愛しい。
紫はそんなことを思いながら、紫は眠りに落ちていった。



翌日(今回のオチ)
八雲家にて口論する影が二つ。
「きゃあああもう1時じゃない!霊夢!何で起こしてくれなかったのよ!」
「あんたのせいで彫像になってたからでしょ!ってかもう5間目が始まるわ!」
「あーそれ私の授業だわ。」
「あんたかよ!」
「というわけで霊夢、遅刻した(する)罰としてあなたは石化の刑ね。」
「理不尽だ!?」

これが、二人の日常



P.S. このあと紫もしっかり校長先生に罰を受けました。ざまあみろBy霊夢


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