カタメルハイスクール第3話「黒板が足りない」

作:七月


「というわけでよろしく!」
と紫が唐突にそんなことを言った。
「どう言うわけよ・・・」
と霊夢が突っ込んだ。
紫はいちいち説明が足りない。
「タイトル見なさい・・・・見たわね!そういうことよ。」
「あ-。」
分かりやすく言えばまあちょっと色々とあってウチのクラスの黒板がそれはもう無残な姿になってしまったのだ。
もう後ろの壁が見えちゃっているしね。
「というわけで・・・あんたら3人固まれ。」
「はあ!?」
「わふっ!?」
「何でクロエさんが?」
紫に指名されたのは霊夢と能美クドリャフカ、そして九十九坂クロエだった。
「何で私たちなのよ!」
「そ・・そうです。」
「納得いきません。」
反論する3人。
「霊夢は確定事項として・・・あとに二人はリクがあったからよ。」
「それは知ってるよ!なんでこの二人なのよ!他にも色々リクあったでしょ!」
「だってコメント欄に天使の鼓動好きだ-!みたいな事書いてあったからうれしくて・・・」
「ぶっちゃけたな!」
「Angel Beats!好評放送中!」
「要らないよ!そんな宣伝!!」
「天使ちゃんマジ天使!」
「知らないよ!」
「とまあ冗談は置いておいて・・・」
嘘だ。絶対嘘だ。
「なら何なのよ。」
霊夢が紫に聞いた。すると、紫は衝撃の一言を放ったのだ。
「あんたらまな板だろ(胸が)。黒板にはもってこいじゃない。」
「「「!?」」」



「というわけで準備完了-。」
「うおおおお!納得したくね-!」
謎の箱状の機械の中に入れられていた霊夢が叫んだ。
「わふ-。出来ないんじゃなくてしたくないんですね・・・」
とクドの突込みが入る。
「まあまあ、せっかくなので今の状況を楽しみましょうよ。」
クロエは楽天的だ。
「あんた!今から固められるのに何でそんなのんきなのよ!」
「いや-、カ-ボンフリ-ズされるのもなかなかExitingな体験じゃありませんか。」
「駄目だこいつは・・・」
霊夢は落胆した。
「さて、手早くはじめるわよ。」
ポチッと紫がスイッチを押すと、機械のフタがしまった。
「うわ-!」
「わふ-!」
「ほうほう。」
3人の姿が機械の中へ消えていった。
それと共に、機械にすっぽりと包まれた3人の声は全く聞こえなくなった。
「さて、炭素凍結開始と。」
ポチッと紫がボタンを押すと、機械が音を立てて激しく動き出した。
数分後、機械が止まると紫は再びボタンを押す。すると・・・
プシュ-と音を立てて、それは現れた。
「あら、いい感じね。」
紫の目の前には3枚の黒っぽい板。
そこにはカ-ボンフリ-ズされた霊夢、クド、クロエの姿があった。
霊夢は苦しそうな表情で、クドはすっかりおびえきった表情で、そしてクロエは澄ました感じでそれぞれ板に壁埋めされるような形で固まっていた。ちなみに全員全裸である。
「感触は・・と。」
紫が霊夢の裸体に触れる。炭素で固められた霊夢の体は固く、滑らかだった。
「よし!これで授業が出来るわね!」
紫はカ-ボンフリ-ズされた3人を教室へと運んでいった。



「それじゃあ今から授業をはじめま-す!」
「「「「「は-い。」」」」」
教室の黒板には固められた3人の姿があった。
クロエ、霊夢、クドの順に左から並べられ、黒板として使われていた。
「え-と、まずこれがこうであ-なって・・・」
紫が黒板に白いチョ-クで板書していく。
カカカカッカカボキッ(クロエの髪の辺りでチョ-クが折れた音)カカッカカカカカッカカボキッ(霊夢の鼻の辺りで折れた音)カカカカカカカカカカカボキッ(クドの胸の辺りで折れた音)カカカ・・・・
「・・・・・・」
まあいくら胸がぺちゃんことは言え、女の子が壁埋めになってるような黒板にまともに字が書けるわけ無く・・・
「使いづらい!!」
「「「「「気付けよ・・・」」」」」
クラス総出で突っ込まれた。



後日談、というか今回の落ち。
「やっぱりカ-ボンフリ-ズを黒板として使うのは無理があったわね。」
「気付けよ・・・」
紫と元に戻った霊夢が会話をしていた。
「でもまあ、固まったあなたたちの体にチョ-クで文字を書いていくのは楽しかったけど♪」
「この変態・・・ってそうだ。私たちはいわゆる壁埋め状態だったのよね?」
「ん?そうだけど。」
「じゃあ板の裏側は普通に平らだったんじゃないの?そっち使えば・・・」
ハッとした目で紫が霊夢を見つめていた。
「あんた・・・頭いいわね。」
「いや、気付けよ・・・」
今日も学園は、平和だ。


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