白濁の宴・このみの場合

作:くーろん


 「んっ・・・・・・んんっ・・・・・・」
 強引に合わせたこのみの唇は、少し震えていた。
 
 
 そっと唇を離すと頬を赤く染め、このみは視線を逸らす。
 初めてのキスに戸惑ってる? いや違う。
 (たぶん、裸を見られて恥ずかしいんだろうな)
 このみも俺も、服を着ていない。
 じっと胸元に視線を向けていたら、頬と同じくらい赤みを帯びてきた。
 「た、タカくん・・・・・・そんな・・・・・・じっと見ないでよぉ」
 ――そんな事言われたら、余計に興味がわいてきちゃうんだけど。
 このみの胸元に顔を寄せると、俺は小さなふくらみに軽くキスをした。
 「あっ」
 初めて見たけど、このみの胸は本当に小さいな。
 背丈もしぐさも子供っぽいけど、今見てるここもやはりふくらみというよりはなだらかな斜面で、小さく突き出た乳首でようやく胸だよって主張してる感じだ。
 その唯一女の子を主張してる突起を、俺は口に含み、舌で転がす。
 「ひゃうっ、あっ! い、いやっ、タカくんっ」
 ビクンと体を震わせると、このみは体を強く揺すり、俺から離れようとする。
 「駄目よこのみ。タカ坊の邪魔をしちゃ」
 けれど背後から囁き声が、このみをたしなめる。
 耳元に顔を寄せてるのは、タマ姉・・・・・・同じく、裸だ。
 このみとは対照的にグラマラスなプロポーションを隠すことなく、むしろ見せ付けるように身をくねらせている。
 ふぅっ・・・・・・と、小さな耳に息を吹きかけるタマ姉。
 「ひゃうんっ」
 こそばゆさに、このみの体がこわばる。
 (サンキュー、タマ姉)
 タマ姉の助力に心の中で感謝しつつ、このみの胸を俺は再び愛撫し始めた。
 「んっ、あうっ、く、くすぐったい、はうっ・・・・・・」
 左を手で。右を舌で。
 何度も何度も、両胸を撫で回す。
 「た、タカく、あっ・・・・・・この、み、なんだか変。下、が、じんじん、って・・・・・・」
 腰の方から、淫靡な匂いが漂ってきた。
 見下ろせば、このみの割れ目から流れ出る愛液が、床をしっとりと濡らしている。
 (感じてるんだ・・・・・・)
 匂いに釣られ、俺は左胸に当てていた手を、蜜がしたたる割れ目へと近づけ、添える。
 そして断ることなく、人差し指を割れ目の中へと沈めた。
 「あっ、あああっ!」
 このみが腰を振るわせたけど、構わず俺は、沈めた指先をくすぐるように動かした。
 「あっ、ああっ、いっ! あっ!」
 指の動きに反応して、このみがリズミカルに喘ぎを漏らす。
 零れる愛液は更に量を増し、俺の指を濡らしながら床へと落ちていく。
 (そろそろ、いいかな)
 このみから少し離れると、俺は腰を上げる。
 喘ぐ声と初々しい反応に感化され、俺のペニスは完全にそそり立っていた。
 「え?・・・・・・や、いやぁ、タカくん・・・・・・」
 隆起したその姿が、このみにはグロテスクに写ったのだろう。
 それでも何をされるのかは分かったらしく、弱々しく首を振ると、両足を閉じ、入り口を隠そうとする。
 「止めなさい、このみ」
 だがその閉じかけた足を、タマ姉の手が邪魔立てする。
 「で、でもぉ・・・・・・な、何するのタマお姉ちゃん!」
 こわごわと尋ねる声を無視し、タマ姉はこのみの陰部に手を沿えると、指で広げ始めた。
 「ほらタカ坊・・・・・・ここよ。繊細なとこなんだから、あまり乱暴に扱っちゃ駄目よ」
 誘導してる、らしい。
 今、俺の目の前にはこのみの秘所が、全てをさらけ出し待ち受けていた。
 「分かった・・・・・・このみ、いくよ」
 このみは震えている。初めての行為に怯えるんだと思う。
 でもそんな気弱な仕草が、逆に支配欲をそそらせる。
 開かれた幼馴染の秘密の門へ、俺は自分の獲物を突き入れた。
 「うっ!」
 華奢な体がビクンと震える。
 「あうっ! 痛っ! 痛い、よぉ、タカ、くん・・・・・・」
 ずぶずぶと沈む棒、苦しそうな声をあげるこのみ。
 先端が壁にぶつかるが、構わず俺は腰に力を込め、一気に貫いた。
 「あっ! ああっ! ああああああああああっ!」
 悲鳴に近い声が上がった。
 このみは大きくのけぞり、髪を振り乱しながら激しく体を揺すり、痛みから逃れようとする。
 「落ち着いてこのみ! 動いちゃ駄目! 大丈夫よ、しばらくすれば治まるから、ね」
 このみを強く抱きしめながら、タマ姉が優しく諭す。
 「あああっ! はあっ、はあっ・・・・・・は、あぁ・・・・・・」
 その声に安堵したんだと思う。
 少しづつ、このみがおとなしくなり、タマ姉に力なく寄りかかる。
 (大丈夫、だよね)
 俺は弱々しく顔を引きつらせたこのみを見ながら、ゆっくりと腰を動かし始めた。
 「はあぁっ! はあっ! はあっ! あうっ! ひうっ!」
 声を荒げ、呼吸とも叫びともつかない声を上げるこのみ。
 「ひぐっ! い、痛いよぅタカくん、タマお姉ちゃ――んんっ!」
 悲痛な声。
 止まらない叫びを、タマ姉が口で塞いだ。
 「んんっ、ぴちゅっ・・・・・・くはっ! 何、で・・・・・・んちゅっ、くちゅ・・・・・・タマお姉、ちゃん・・・・・・はあっ、はあっ・・・・・・ぴちゃっ」
 荒ぐ声に、水音が混じる。
 (タマ姉、舌を入れて・・・・・・)
 たぶん気を逸らすためだと思う、けど。
 女の子同士で交される濃厚な口付け。
 2人の幼馴染の、一度たりとも見た事のない、頬を寄せ、互いの舌を絡ませ合う淫らな姿。
 淫靡で、艶かしくて。
 同時に、別の感情が湧き上がってくる。
 「ずるいよタマ姉。俺にも――」
 「んちゅ・・・・・・ふふっ、タカ坊ったらヤキモチ? もう、かわいいんだから」
 いたずらっぽく笑いながら、タマ姉が舌を離す。
 俺はこのみの下あごを掴むと、ほうけた顔を強引に振り向かせ、タマ姉からバトンタッチする形で舌を入れた。
 「くちゅ・・・・・・はぁ・・・・・・タカくん・・・・・・ぴちゅ・・・・・・はぁ・・・・・・気持ち、いいよぉ、ぴちゃ、タカくん、タカ、くぅん・・・・・・はぁ・・・・・・」
 このみの表情に、苦しさはない。
 とろんと夢心地な表情で、俺のディープキスを無抵抗に受け入れる。
 唇が重なる度に、舌が絡み合うたびに、甘い声が小さな口から漏れる。
 そうとう、気持ちいいらしい。
 
 ――すごく、ぞくぞくする。
 
 「あっ、あっ、あっ、あっ!」
 呼応して、腰の動きが激しさを増した。
 「た、タカくん、このみ、なんか、何か、出ちゃいそう、ああっ!」
 何度も腰を打ち付けてるうち、このみの様子がまた変わってきた。
 「このみ、それはイクって言うのよ」
 「イク? ふあぁっ! これ、これってイクっていうのっ?」
 「ええそうよ。いいからイっちゃいなさい。大丈夫。タカ坊がちゃんと受け止めてくれるわ」
 このみを支えながら、タマ姉が囁く。
 今のこのみは快楽で全身がとろけきっていて、タマ姉が後ろにいなければすぐに倒れてしまいそうだった。
 「タカくんいいの? このみ、イっちゃっていいのっ?」
 「ああいいよ、このみ、俺もイキそうなんだ」
 俺もまた快楽で下半身が張り裂けそうで、そろそろ限界だった。
 「イクっ! イっちゃうよタカくん!」
 「いいぞ! このみっ!」
 思いっきり、俺は腰を打ちつけた。
 「イ、クッ・・・・・・あ、ああ、あああああああっ!!」
 声を張り上げ、このみが絶頂を迎える。俺も、自分の欲望をこのみにぶちまける。
 
 
 ――異変は、ここから始まった。
 「ああああっ――」
 全身を駆け抜ける絶頂を吐き出していたこのみの動きが・・・・・・止まったんだ。
 「・・・・・・・・・・・・」「ぐっ、おっ!」
 我慢なんて出来る状態じゃない。
 互いの体を突き動かすのは本能。頭じゃ理解できない反応。
 止めようったって止められるはずがない。
 なのに、このみは――
 「・・・・・・・・・・・・」
 動かない、いや、もう停止してるって言った方がいいかもしれない。
 下半身の赴くままに腰を振り、自分の精液を俺はこのみの中に叩きつける。
 けれど、このみは。
 大きく身をのけぞらせ、口を大きく開き――絶頂の最骨頂を迎えた状態のまま、微動だにしない。
 「はあっ! はあっ! はあっ・・・・・・」
 全てを出し切り、俺はこのみの陰部からペニスを抜いた。
 どろりと溢れ落ちる精液と愛液。
 それでもこのみは動かない。
 俺が脱力感に襲われる中、それでも未だ動こうとしない。
 幼馴染だった子が生身のまま人形に変わった、そんな錯覚じみた想像すらしてしまう。
 
 そして、異変は更に続く。
 「あら、このみが・・・・・・」
 このみの体が、今度は下半身から白く変色し始めたんだ。
 白く変わった部分は光沢を帯び、そこが皮膚と全く異なるものに変わった事を、光の反射で示してきた。
 そして。
 「まあ・・・・・・」
 ぷにぷにしたふとももが、足首が。脂肪のない平たい腹が。同じく平たい両胸が。
 肌色も、ピンク色も、ほんのりとした紅色も。全てが全て、乳白色へと塗り替えられていく。
 その様子に俺達は・・・・・・驚きを示さない。
 このみは、無言と無挙動のまま。
 俺は、疲れた瞳を向けたまま。
 タマ姉は、うっとりと見つめたまま。
 人としての身を失っていくこのみの様を、ただ黙って見つめていた。
 やがて、淫らな表情を浮かべた顔が、白く染まる。
 
 このみの体が、全て白濁の光沢に包まれた。
 
 「ふふふっ・・・・・・残念だったわね、このみ・・・・・・でも、とても綺麗よ・・・・・・」
 艶っぽい声を漏らしながら、タマ姉が変わり果てたこのみの胸に熱っぽい視線を向け、舌でなぞる。
 俺も触れてみる。
 ふにふにした柔らかな感触は失われ、ほのかに暖かい、硬質を帯びた感触が返って来た。
 
 さっきまで俺と交わっていた幼馴染。
 でも今は、幼げな体に不釣合いなほど淫猥に、絶頂の快楽を訴える白濁の彫像。
 しばらく、俺達は黙ってその姿を眺めていた。
 けどやがてタマ姉が立ち上がると、魅惑な裸体を隠すことなく俺のそばに屈みこみ、熱っぽい眼差しのまま、囁いた。

 「さあ、次は私の番よ、タカ坊・・・・・・」

to be continue


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