空の境界 『忘却固化』

作:黒化石花



ー礼園女学院・協会ー

鮮花は魔術回路を前回にして、叫んでいた
「なめるなぁあぁーーーーーー!!」
鮮花の魔術により、妖精は激しく焼かれ、ひん死の状況まで追い込んだ・・・・・・
「これでやっつけたかしら?・・・・・・」
はぁ、はぁ、と少し息をきらしながら、呟いた。
魔術回路を全開で使用したため、鮮花の来ていた礼服の右腕の部分は
焼けて落ちてしまっていて礼服はボロボロの状態だ

そして、私は黄路美沙夜の安否を確かめようと、気を失っていた
美沙夜の方に向き直って見ると、そこには先ほどまで
気を失っていた美沙夜の姿が無くなっているのにきずいた・・・
「えっ!?どうして!!」
私は美沙夜が居ないことに驚いていると
「どうかしましたか?黒桐鮮花さん?」
そして、後ろで黄路美沙夜の声が聞こえてきた

はっと、振り返ると美沙夜は何も無かったの用に
私に後ろに立ち尽くしていた・・・・・・
「私の罠だと知らずによく妖精を倒してくれましたね・・・・・・」
「それじゃ、今度は私の方から行きますわよ」
そう言って、また、別の大型の妖精が姿を出現させたのだ

「そんな・・・・・・どうして、これ以上 復讐して何になるって言うですか!!先輩!!」
疲労で一杯の身体で、私は美沙夜先輩に向かって叫んだ
「もう、復習なんて私にはどうでもよくなったのよ・・・・・・黒桐鮮花さん、事の真相を知っているのは貴女だけでしょうし・・・・・・」
「消えてもらいましょう、この世界から・・・・・・」
そう言って美沙夜は手を私にむけ妖精に指示に出した
「やりなさい!!」
と、冷酷に呟いた

「きゃあ!!」
「あっ・・・・・・この・・・・・・!!」
2体目の花形の妖精がツルのような触手で私を拘束した・・・・・・私はそれで身動きがとれなくなってしまったのだ・・・・・・
「美沙夜先輩どうしてこんな事を・・・・・・私を殺しても、何も変わりませんよ・・・・・・」
と、私は手足や全体を拘束させられた状態で美沙夜に叫んだ、
「くぅ・・・・・・ッ」
首を閉めていた触手が少し強まったがすぐにゆるんだ、そして・・・・・・
ツルからは何か緑色の液体が少しづつ分泌されはじめた
「何よ!これ!!気持ち悪い・・・・・・!!」


美沙夜は鮮花に向けてこう言った
「別の殺すとは言ってはないでしょう・・・あなたにはこの協会に飾る“石像”にでもなってもらおうと思いましてね・・・」

「えっ!?石像に!!」
鮮花は触手に絡まれながらも驚愕した表情で美沙夜に聞き返した

「そうよ、あなたは、ここで惨めな姿で石像になって永遠に世界から忘れ去られるのよ」
そう、美沙夜は言ったのだ
「そろそろ効果が出てくる頃かしらね・・・・・・」
と、言うと私の身体に変化があらわれたのだった

私の着ていた衣服が緑色の液体にすべて溶かされ
鮮花は一糸纏わぬ姿になってしまった
次は石化が進行し手足はもう既に石に変わってしまっていた
「そんな・・・・・・うそ・・・・・・身体が石になるなんて・・・・・・こんな事っ・・・て・・・石化・・・なんて・・・そんな・・・・・・」
鮮花が弱そうな声で呟いた
「ええ、そうよ。本当はこんな事したくなったんだけれどね・・・・・・あなたが招いた種ですもの、仕方ありませんですわよね・・・・・・」

と、美沙夜は言い返した
そして触手が鮮花の口や秘所に入っていき
「あっ!!」
「んっ!!」
そして触手は鮮花の何にも石化液を噴出した
「まぁ、さっきとはうってかわってかわいらしい声でなくのね・・・・・・」
「黒桐鮮花さん、本当によくってよ・・・・・・」

石化の進行はどんどん進んでいき
鮮花のその引き締まった身体は完全に石化してしまっていた
そのしなやかな肢体の胸や腰周りに手首に二の腕、ふくらはぎに太ももは
石化によって包まれていた・・・・・・

鮮花は目を開き、口は半分くらい開けた状態で
最後に言葉をもらした
「し・・・き・・・・とう・・・こ・・・さん」
「みき・・・・・・・や・・・・・・」
「・・・・・・」
と、言うと鮮花の口元も石になり、
その、特徴的であった黒く輝いた長い髪も灰色に染まり
目はどこか遠くを眺めている状態で石に変わってしまった
目からは最後に一粒の涙が流れていたのだった
鮮花は石となり、完全に世界から拒絶されてしまい
私の意識は消えてなんくなってしまった・・・・・・

触手に拘束させられながら
鮮花は石像に変わってしまったのだ
そして触手はゆっくりと鮮花を引き離した

触手に拘束させられていたため、弓のように仰け反った状態で石化していた
目は大きく見開き、口は少し開いた状態で石像にへと変わっていた
その視線は虚空を見つめているようだった
そして背中までに伸びた長い髪は石化した姿はなんとも言えないくらい
美しい姿だった・・・・・・

「鮮花さんとっても美しいわよ・・・・・・嫉妬しちゃうくらいね・・・・・・これなら、この協会に飾っても全然問題なくらいですわ、フフフッ」
と、美沙夜は笑い声を口にもらした
「裸と言う惨めな姿で永遠に石像になっていなさい」
黄路美沙夜は少しにやけながら、鮮花の石像に触れ始めた

その鮮花の石となった肢体の胸や腰周りに太ももに・・・・・・
そして、目と口を開かせながらも立派な顔立ちも・・・・・・
美しいとしか言いようがなかったのだ
目からは最後に涙を流したせいか、頬から首にそして身体にかけてまで流れていた・・・・・・
今ではただの物言わぬ石に過ぎないのだから・・・・・・

「・・・・・・・」
鮮花は今では動く事も言い返すなく、その場に立ち尽くしている石像に過ぎないのだから


「そして、あなたは世界から忘れさられるのよ“黒桐鮮花”さん・・・・・・」
黄路美沙夜は最後にそう言ったのだった・・・・・・

「玄霧先生お願いします」
黄路美沙夜の後ろには先ほどまでには居なかった玄霧皐月が立って
玄霧皐月ことこの学園の教師である事に加え
「偽神の書(ゴドーワード)」「統一言語師(マスター・オブ・バベル)」と言った異名を持つ
封印指定の魔術師である
彼の言葉には「世界」からの命令と同義であり、それから逃れることは不可能なため、絶対的な催眠術師と言えるほどの能力であるのだからだ、人一人の記憶世界から消すことなどた易いのだ・・・・・・

「はい、それでは」

『ー“黒桐鮮花と言う少女はこの世界には存在しなかった”ー』と言うと

時間が通りすぎたのか、はたまた戻ったのか、言う空間ができたかのようになり

“黒桐鮮花”と言う少女など居なかった事になったのだ・・・・・・
と言う結果に至ったのだ・・・


そして、美沙夜は先ほどまで人とは別人のようになり
「まぁ、このような協会にこんな、立派な“少女の石像”なんてありましたかしら・・・・・・」
黄路美沙夜は先ほどの事は何も無かったような口振りで話し始めた・・・・・
「今日入荷したこの協会に飾る新しい石像でしょうね・・・・・・後は私がやって置きますのであなたは自室に戻られてはどうですか?」

「そうですね、何か知りませんが、少し疲れているみたいなので、失礼します。玄霧先生それでは」
黄路美沙夜はそして協会を出て行ってのだった・・・・・・

そして玄霧皐月は“少女の石像”に目を向けて言い返していた
「“黒桐鮮花”さん、あなたも不運ですね・・・・・・呪いと言っても言いのかもしれません・・・・・・こんな姿で生涯を終えるなんて、安心してください。あなたはこの協会で聖母マリア像のように石のオブジェとて佇んでいればいいんですからね・・・・・・」
「あなたは自分の“起源”を“禁忌”だと考えていたらしいですね・・・石像に変わる事も“禁忌”と換わりはないと思いますよ・・・・・・」
「あなたには“禁忌を犯した少女”と言う台座でこの協会で永遠に佇み続けるのですから・・・・・・」
石像は
「・・・・・・」
答えない・・・・・・

玄霧皐月は“少女の石像”に対してそう言いの残し協会を後にしたのだった・・・・・・



そして、礼園女学院の協会ではその日から“少女の石像”は永遠に飾られ続けるのだった・・・・・・


Fin


台座には題名として
『“禁忌を犯した少女”』
と言う名であったそうだ


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