闇夜疾走

作:川崎克


夜陰、一人の女子高生が疾走している。
いや、遁げていると言ったほうが適当だろうか。
女子高生を追っているのは、3機のマシーンである。

23xx年、アジア連合国極東列島日本州。
世界最高水準の科学力を持ち、幾多の環境問題や人口問題をその恐るべき科学力で解決して来たこの日本州で
残すべき問題は治安維持のみとなった。
前置きはここまででいいだろう。
いま疾走している少女は治安を乱す罪を犯してしまったのである。殺人である。
そして、いま少女を追っているマシーンは日本州治安維持局から派遣された追捕マシーンと執行マシーンである。

「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ」
彼女は腕を大振りで走っている。彼女の身体を包んだセーラー服のスカーフと彼女の長い髪の毛は風の抵抗によりユタユタと揺れている。
「止まりなさい。止まらないとあなたの罪は重くなるだけです」
時報のアナウンスに似た無情の機会音が鳴り響く。
止まるはずがない。
捕まったらすべてを奪われる。
「や・・・・めて・・・・こな・・・・いで・・・・」
彼女の体力は相当なところまで来ているらしい。呼吸が続かなくなっている。
「止まりなさい。これ以上逃げ続ける場合は風波ミサイルを撃ちます」
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・や・・・めて・・・」
「ミサイル発射」
機会音と共に、爆発すると風速50メートルの風が発生するミサイルが彼女の足元をめがけて追捕マシーンから発射された。
「キャッ・・・!!!!」
風船の破裂したような音と共に、ミサイルが爆発、彼女は民家の塀に押し付けられる形で倒れた。
風速50メートルの風が、あたりを巻き込み、周辺の住民が多少様子見で窓から覗いたり、庭先に出てきたりして、あっという間に野次馬が集まった。
グッタリとしている彼女に3機のマシーンが近づく。
「あなたは3時間前にあなたの彼氏を殺害、動機は喧嘩から。間違いないですね」
彼女は絶望の顔を浮かべてないている。
もう終わり、彼女の人生の幸福という部分にはすっぽり大きな穴があく。
「あなたの脳波の反応から94%の確立で動機と合致していると判断しました。逃走53分、逃走中バイク窃盗、相手にとっては理不尽な動機により殺害データ保護局のデータを前例に照会しあなたの罪に身体奉仕8年を適用したします」
「しん・・・たい・・・ほう・・・し・・・・?」
彼女が口を開く。もうどうにもなっていい。そんな感じの気持ちが表情からうかがえる
「あなたは執行マシーンから噴射されるC122のガスによって石像になります。このガスは体内のmRNA,rRNAに結びついて炭素のような基質のたんぱく質を作らせます。無論あなたには視覚以外の感覚は保障されるので安心ください。あなたはこの場で8年石像になっていただき、昼間は児童の遊び場、夜間は大人の性的欲望をみたす場となっていただきます。性犯罪を軽減するために身体奉仕していただきます。」
小学校の学芸会で低学年が長々とセリフを言っているときのような口調であった。
口で言うだけでは簡単な事。
しかし実際は物凄い恐ろしい事である。
「・・・・・や・・・めて・・・・」
「ダメです」

ジュプシューーーー・・・
「キャーーーーーーーーー・・・・・・・・!」
白いガスが執行マシーンから噴射された。先ほど集まった野次馬、特に男性の目が一瞬光り輝く。
白い煙が排煙されるとともに、少女の薄黒い石像が誕生した。
来ていたセーラー服も薄黒く、夜の街灯に当たって光沢を放っていた。
最期に叫んだため、口が多少開いていた。
ガスが噴射されるときに少し風がふいたのであろう。
セーラー服のスカーフ、彼女の髪が風になびく形で固まっていた。
「両親には国から報告書がいっているはずですので安心ください。8年の石像ライフで反省しなさい。」
3機のマシーンは最後の作業の固まったスカート切除を済ませた。
彼女は陰部と口が開いた絶好の形で固まっていた。
「この少女は殺人という罪を犯しました。ただいまこのように固体と化しどんな償いでも身体を投じて実践します」
とかかれたデジタル版を残し、去っていった。
さっていくとともに、先ほどの野次馬は哀れむ顔を覗かせて帰っていく人、
そして興奮して固まった少女に飛びつく男性の2種類に分かれた。
(気持ち悪い・・・!やめて!やめてぇぇぇぇdせんvふjsdんぼいdgんすdg)
男性たちは続々集まってきて、ぽっかりと開いた彼女の口、陰部に競うように精子をドピュドピュと乱射した。
彼女の体の中も固まっているので、彼女の陰部と口に発射された白い液体は彼女の穴という穴からだらだらとたれ流れてきた。
(やめてー!!ぁ、あぁ。うっふぁ、入れないでぇ、だめぇ、あはぁはぁ)
彼女の精神状態は崩壊している。
しかし、8年という石像でいなければいけない時間はまだ始まったばかりである。


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