作:疾風
「おじさん,ヒマ?」
夜の繁華街,帰宅中の男に突然声が掛けられた。
「ねえ,あたしと遊ばない?」
声を掛けたのは高校生位の女だった。
「突然なんだい。今帰り途中なんだが」
「えー,今日一日位いいじゃん。遊ぼうよ」
女はなおも誘い続ける。
(ひょっとして,援助交際というやつか)
男は暫く考えると,
「たまにはいいかな。で,何するの」
「えっとねー」
答えた。
(食事にカラオケ,そしてホテルか。お決まりのコースだな)
数時間後,男とセーラー服に着替えた女はホテルの一室に入った。
「おじさんありがとう,全部奢ってくれて。それにお小遣いもこんなに」
女が話し掛けてくる。
「お礼に,とっても気持ちよくさせてあげるね」
「ああ,じゃあ一つだけ頼みがあるんだが」
「ああっ!おじさん凄い!」
セーラー服とスカートだけを身に纏った女が喘ぐ。
「くっ!出るぞ!」
「ああっ!」
男と女は同時に果てた。
「おじさん凄かったね」
「君のテクも良かったよ。よくこういうことしてるのかい?」
「うん,気持ちいいから大好き。口も後ろも出来るよ」
「じゃあ,こういうところにもよく来てるんだ」
「うん」
(道理であまり無茶なことを言わなかったのか。金だけが目的では無いんだな)
「ちょっと後ろを向いてくれるかい」
「うん,何で?」
「君の首筋に文字を書くから,何て書いたか当ててくれないか」
「うん,いいよ」
そう言うと女は後ろを向く。
男はペンを取り出し,女の首筋に文字を書いていく。
文字を書き入れると,男は女に話しかけた。
「何て書いたか解ったか」
女から返事は無かった。
「解らないなら教えてやるよ。『自動精液処理機』って書いたんだよ」
男はそう言いながら女の体を自分のほうへ向けさせた。
女は瞬きひとつせず虚空を見つめていた。
女が着ているセーラー服の胸ポケットとスカートの左右ポケットにはいつのまにか,『口100円』『アヌス500円』『アナル1,000円』と書かれていた。
「そんなにエッチが好きなら,ずっとさせてやるよ」
男は『自動精液処理機』に向かって言った。
「今日はまた凄いな。これで一日分か」
数日後の早朝,男は『自動精液処理機』を見てそう言った。
人気の無い路地裏に設置したにも関わらず,『自動精液処理機』の三つのポケットはパンパンに膨れ,金が溢れていた。
そして,それに気を取られることが無い位精液で汚れていた。
「僅か数日で大盛況だな。充電の心配は無いし男は安価で性処理が出来る。良く考えるといいことづくめだな」
男はそう言うと『自動精液処理機』のポケットから金を回収し洗浄を始め,
「これはもっと多くの人に利用してもらうべきだな」
と言った。
数ヵ月後,夜の繁華街に溢れていた援助交際風の女はめっきりその数を減らし,それと同数の『自動精液処理機』が路地裏に設置された。