作:灰音穂香
少女二人が粘液に絡められていた…。
ねばーでぬばーな感じで…。
「何で!マンホールの中がこんな風になってるのよ!」
眼鏡をかけた少女、リサが一緒に落ちた少女に苛立たしげに言って。
「私にきかれても〜」
もうひとりの少女、ミサトが首を捻る。
「って言うかネバネバして気持ち悪いよ〜」
「っさい!気持ち悪いのは私もよ!」
(はぁ…何でこんな風になったんだろ…)
リサが心の中でため息をつく。
「あれ…なんだろ…?」
そのとき…ミサトが何かに気づく…。
「ひっ…」
リサもそれに気付き、くぐもった悲鳴をあげる…。
それは二匹の巨大な…蜘(くも)であった…。
一体がミサトにもう一体がリサに糸を吹きかける。
否…それは糸ではなく液体であった。
“しゅぁぁぁ”
液体にかけられた場所は
煙を上げ…
「なっ!」
「石に…なってる…。」
蜘手がかけたのは何かの液体のようであり。
ミサトの足は白く、リサの足は灰色に変色していた…。
「これ…凍ってる…」
「いや〜!」
泣き叫ぶ二人に蜘手がそれぞれ口を開き液体を…かけた。
液体は先程より大量にかけられたのか煙が大量にふきあがる。
そして……
粘液ごと、服もそして肉体も二人の体は固められていた…。
ミサトは石に…
リサは氷によって…。
「ってな夢を見たのよ…」
「奇遇だね〜、私も同じ様な夢をみたの〜」
学校にて…二人はそんな感じの話をしていた。
「でね〜、今日の帰りに寄りたい所があるんだけど…」
そして…
運命の輪は…
静かに…
回り出す。