作:ガーネット
深夜、人気の無い住宅街の中をワゴンで走る。
大通りを避け、細い道をひたすら走っていると、ヘッドライトに照らされた女性の後ろ姿に気付く。
白い上着と青いミニスカート、白ニーソと言う服装。
肩からはリュックを提げている。
赤く長い髪をしており、黄色いリボンで左側に結んだサイドポニーにしているのが特徴的だ。
大学生くらいだろうか・・・
そんな事を考えていると、女性が振り返りこの車をよけるため道端に寄る。
上着の下に横縞のタートルを着ているのが見え、顔はとても可愛らしい。
よし、今日はこの娘にするか
そう決めると、車を加速させ女性を追い抜く。
そして、少し先の信号の無い小さな交差点を曲がると少し進んで車を止めた。
エンジンを切ると、辺りは真っ暗になり虫の音しか聞こえない。
俺は車を降り、交差点に戻ると角に隠れてさっきの女性を待ち伏せる。
虫の音に混じり足音が聞こえるようになり、だんだんと女性が近づいて来る。
そして、交差点に差し掛かる瞬間、俺はズボンのポケットから小さな銃のような物を取り出し、女性に向けて引き金を引いた。
パシュッと音をして銃から出たのは弾丸ではなくガスだった。
そしてガスを浴びた女性は・・・
ガタッ
と音を立てその場に倒れてしまった。
女性は前後に脚を広げ、歩くポーズのまま横倒しになっている。
俺は女性に近づき身体を触り始める。
見知らぬ男に身体を触られているにもかかわらず女性は真っ直ぐ前を見たまま表情を変えない。
そして、顔、胸、脚をノックするとコンコンと固い音が帰ってきた。
俺が女性にかけたのは硬直ガスである。しかもかなり強力で、浴びると一瞬にして全身がカチコチに硬直してしまう。
俺はこのガスを使って何人もの女性を固め、コレクションしている。
今回もコレクションを増やすために良さそうな女性を探していたのだ。
よし、固まったな
そう呟くと、俺は女性の脚をつかみ肩に担ぐと車に積み込んだ。
そして、運転席に座り、エンジンをかけ自宅へ向けて車を発進させる・・・
数日後の朝・・・
俺は普段は宅配の仕事をしており、今日も配達先へ向けて会社のトラックを走らせていた。
『ザザ・・・
連続失踪事件で ・・・ 新たに・・・
の・・・た・・・ずきさんが・・・』
調子の悪いカーラジオから朝のニュースが流れる。どうやら先日持って帰った娘の事を言っているらしい。
どんな報道をされるか聞いていたかったが、目的地のマンションに着いたためエンジンを切り、荷物を配達しに向かった。
無事に配達が終わり、一階へ降りるために階段へ向かっていると、ある部屋からドタドタッと走るような音がした。
遅刻しそうなのだろうか、かなり慌てている感じだ。
音のした部屋を見ると見覚えがあった。
ここは前に配達した事があったな。確か名前は佐世保さくら、一人暮らしで結構美人だったはず・・・。
そう考えているとまたドタドタッと音がした。今度はかなり近い。どうやら今玄関にいるようだ。
俺はポケットから硬化ガス銃を出すと郵便受けを開け、中にガスを噴射した。
すると今までしていた騒がしい音がしなくなり、静かになる。
俺は周囲を見まわし人がいない事を確認するとドアを開けた。
そこにはさくらがいた。いや、置かれていたと言った方が良いか。
白いスーツとベージュのストッキングを履き、黒く長い髪をしたさくらは玄関でハイヒールを履こうとする姿のまま硬直していた。
左腕を真横に伸ばし壁に手を当てて身体を支え、右足は後ろに上げられつま先と右手の人差し指にハイヒールが引っかかっている状態だ。
左足は既にハイヒールを履き終わり、顔は後ろを向いて右足の方を見ている。
俺はさくらの顔を見るために周り込む。
記憶通りの美人であった。
やはり遅刻しそうなのだろう、顔は焦ったような表情のまま固まっている。
今すぐ持って帰りたいが、時間はまだ朝。人も多いし、仕事の続きもある。
とりあえず、今はこのままにして、人の少ない夜中にまた来る事にしよう。
そう決めると、さくらの服から鍵を探し出す。
鍵を見つけると俺はさくらにキスをし、
また来るからね
と言いながら頬をコンコンとノックすると、玄関を出て部屋に鍵をかけ、マンションをあとにした。
そして深夜
俺は仕事を終え、人々が寝静まる時間になると自分のワゴン車に乗り、再びあのマンションへ向かった。
階段を上がり、さくらの部屋の前に立つと鍵を開けて中に入る。
そこには真っ暗な玄関の中を朝と変わらず、焦った表情のさくらが置かれていた。
さて、持って帰るか
俺はさくらの前に立つと、左太ももと左脇をつかんで持ち上げる。
そして、さくらの脚を使ってドアを閉めると階段へ向かった。
何度か重い荷物を持ってこの階段を通った事があるが、複雑なポーズのさくらを持って降りるのはかなり苦労する。
踏み外さないように一段一段ゆっくりと降りていく。
そして、やっと後半分のところまで来た時・・・
「え?」
その声に気付き、階段の下を見ると一人の女性がいた。
黒いショートカットの髪、グレーのスーツに黒いストッキングの女性は、右足を一段上に乗せた状態でこちらを見ている。
「さくら・・・?」
名前を知っていると言う事は同僚か? マズイ! 見られた どうする・・・
これまでに無かった事態に俺は混乱していた・・・しかし、それは彼女も同じだった。
同僚が動かない上に見知らぬ男に運ばれているのだ、無理もない。
お互いに混乱し、動かない状態はしばらく続いた。時間にして数十秒だったが、俺には数分にも数時間にも感じた。
そして、この状態を打ち破ったのは彼女だった。
はっと我に帰り、「いっ・・・いっ・・・」と悲鳴を上げようとしたのだ。
叫ばれては困るっ!
俺はとっさに持っていたさくらを離しポケットから硬化ガス銃を出すと彼女に向けてトリガーを引いた。
彼女は「いゃ・・・」と言いかけた所で瞬時に硬直する。
右足を一段上に乗せ、両手は固く握り締めて、両腕を胸に当てたポーズのまま動かない。
これで大声を出されずに済んだのだが、ホッとしている暇は無かった。
手放されたさくらがゴトゴトと音を立てて階段を滑り落ちたのだ。
そして、固めたばかりの女性とぶつかるとガタンッと音を立て踊り場で停止した。
今の音で誰か起きたんじゃないか・・・? 誰か出て来たらその時は・・・
そう考えながら銃を構えていたが、幸い誰も出て来る事は無かった。
安心した俺は、踊り場で転がっているさくらともう一人の女性に目をやった。
強い衝撃があったはずだが、どちらもポーズが変わる事なく折り重なるように転がっている。
唯一、さくらの右のつま先と人差し指に引っかかっているだけだったハイヒールが外れていた。
流石に二人同時に運ぶのは無理だなぁ・・・
そう考えると、まずはさくらの上に転がっている女性を運ぶ事にした。
肩に担ぐように女性を持つと、ハイヒールを履こうとする格好のまま転がっているさくらを残し階段を降り始めた。
女性のポーズは比較的直立に近かったため運びやすく、楽に階段を降りる事ができた。
そして、止めておいた車に女性を投げ込むと、大急ぎで残されたさくらの元へ戻った。
外れたハイヒールをつま先と人差し指に引っ掛け直すと、さくらを持ち上げ、慎重に階段を降りて行く。
今度は誰にも遭遇せず、無事に車にたどり着いた。
さくらを車に積み込み、ホッと一息つくと俺は後部座席に寝かされた2人を眺めた。
見られたのは予想外だったが、おかげで良いコレクションが2つも手に入ったな。
そう呟くと、俺は2人に近づき頬ずりをし始める。
どちらもカチカチに硬直しており、人とは思えない固い感触が帰ってくる。
俺は2人の全身に頬ずりをした後、最後にストッキング脚にキスをした。
続きは家でゆっくりやろう
運転席に移りエンジンをかけると車を走らせた。
沢山のコレクションが待つ自宅へ・・・・・・・・・
完