作:ユーラシア大陸
ベッラミュージアム。そこは昨日できたばかりの美術館。元あった政府の施設跡を誰かが買い取って作られたらしい。
「人・・・いないね」
オープンのときはテレビに数百人もの人が入館していた。しかし次の日客ゼロとは・・・。ガランとした玄関で立ち止まって話す女子。この隣の中学校の陸上部の3人。部長の由果、跳躍の春、障害の冷。ともに仲良しトリオである。
「たしか奈々ちゃんと亜衣ちゃんが行くって行ってたけど・・・それからメールこないんだよね・・・」 と、春。
「まぁいいんじゃない、人もいないしさ・・・ちょっとだけいこう!
お願い」
手を合わせて由果に頼む冷。先週の大会は見事優勝。オフシーズンだけに部活にはまじめの由果も納得した。
「いいね、行ってみよ」
と足早にドアをくぐった。すると綺麗な女の人が立っていた。
「いらっしゃいませ、ようこそ。こちらは無料です」
「うっそー!!!」3人は声をそろえて驚く。するとさっと女は3人分のチケットを手渡す。
「さぁ、美しい世界へ行ってらっしゃい」
そういうと3人の視界にドアが広がっていた。
「うわぁーすごっ」
3人はドアをくぐってすぐの全裸の女に見とれる。氷結晶のなかで全裸、何かを見て驚いたようなポーズで飾られていた。
「きれい・・・これ本物?」と冷がつぶやく。
「んなわけないって、きっとマネキンよ」
と、由果は言うが本心ではマネキンにしてはリアルではないか、と疑問に思っていた。
「あれ・・・」
と、言ってのは春。2人は春のいるスポーツコーナーに足を進める。
するとそこにはスポーツをしているポーズの作品があった。バットを振る少年、ダンクシュートを決める少女。思いっきり跳躍する・・・。
「あれ、この飛んでるの、亜衣ちゃんにそっくり・・・」
「ちがうよ由果・・・本物の亜衣よ・・・。
「へ?・・・」と首をかしげる冷。確かに顔つき、跳躍のポーズもそっくりである。
「ちょ・・ちょっと・・・」
そう呼んだのは由果。冷と春が由果のいる家コーナーヘ。由果の指差したお風呂のコーナー。そこには全裸でシャワーのお湯を左手で確かめている奈々の姿。しかも2作品とも・・・いや、全作品が本物のように
今にも動きそうな服装、体、色で止まっていた。
「ねぇ・・・怖くない」
そういったのは冷。由果も恐ろしくなる。
「ちょっと・・・トイレ」
そういって春はトイレに駆け込む。春は近くにあるトイレの前列に入り鍵を閉める。そして下を全部脱ぐと便器に尻をつける。
「春、もしかして・・・ウ○コ?」
と、駆けつけた冷。すると返事が来ない。とんとん、とドアをたたくが
返事がしない。
「ちょっと・・・」そういって上からのぞく。すると誰もいない。しかし脱ぎ捨てられたジャージとブルマ、白いパンツ。そして便器の中には
・・・」
しかしその異臭には目も向けず冷はついに絶えれなくなりトイレを出て出口に全速力で走った。
「おーい、2人とも・・・どこ」
ついに一人になった由果。そして入り口の受付の女に問い詰める。
「ちょっと・・・どうなってるの、ここ。二人は?亜衣や奈々は?」
「・・・」由果の思考は停止した。机に体重をかけ、今にも泣きそうな由果は固体となった。受付の女はにこっとして固まった由果を突然現れた覆面男に持っていかせる。由果は抵抗することなく倉庫のなかへ。
「あの子はいらないや。海外に3万円程度で打ってちょうだい」
女は言う。そう、この美術館はベッラ(美しい)だけあって作品は生身の人間をつかったまさに美しい芸術ばかりである。家コーナーのトイレに春は飾られた。恐怖の顔は便意にもうつる。ただ臭いをとるのは大変だったとか。走っていたところを静止された冷。陸上のユニフォームに着替えさせスポーツコーナーに飾られる。恐怖の顔は緊張する場にも写る。そして後日、由果の固体は飛行機にて欧米に飛ばされた。哀れ、3万からのオークションにて5万円という安価で売られる始末。そして思考すること、表情も変えれない彼女たちは永遠となった。時間を止めれるあの女が存在する限り・・・。
しかし後日、この集団は一人の男により殲滅される。アメリカの異能者軍団・・・Xメンによって。なぜ「Xメン」とかぶるからって?それはよく考えられよ。
この美術館、一人で作れるはずない。最も失踪となればすぐに疑われるはずだ。この事件、そして謎の能力。人に害を与える異能者といえば
わかるはずだ・・・。
由果たちが固まって2日後
美術館の隣の由果たちの中学校に新しい英語の先生がやってきた
その男は言った。
「ハローみなさん。アメリカから来たローガンです」
男の右手からは狼のような爪が少し飛び出ていた。