作:デュール
氷のように透き通ったような水色の髪のシープと
かわいい雪の妖精に出会ったら・・・・・
「よろしくねぇ〜」
「はい、よろしくお願いしますね」
挨拶を交わすバニーとシープ
彼女シープは今日馴染みのある同士の三人と出会ったばかりである。
「他にもドラゴンちゃん一人とラクーン一人だからね♪」
「ま、そういうことだ、かなりお馬鹿な兎だが仲良くな」
バニーはぷんぷんと怒り
「んもぅ!お馬鹿じゃないよぉ〜だ!」
「その言動自体がお馬鹿だ」
喧嘩をしはじめる二人、それをよそにドラゴンとシープが見ている
「いつもそうなんですか?」
「いつものことだ、気にするな」
4人のコントを観覧するドラゴン
そんなことをしているうちに霧が発生する。
「あれ?何で霧?」
「初めてだな・・・・霧が出るなんて・・・・」
「ご主人様ぁ〜、どうするの?」
ラクーンの連れのペットのプチデビルが心配そうに彼にくっつく
「早めに町に行きますか?ご主人様?」
シープの連れのユフィカが辺りを見回す。
「そうね、でも・・・」
シープも辺りを見回す。
「もう、発見不可能ですけど・・・・」
気づけばかなり深い霧となった。
シープもその一言が最後だったのか、何も言わなくなった。
「あっ・・・・あれ?」
バニーも辺りを見回すがバニー以外の人は全くいなかった。
「ん?」
二人ぽつんと立っている。
「いかん・・・こりゃ迷ったかな?」
辺りを見回すが、真っ白な霧のみだった。
「ご主人様、怖いよぉ〜」
プチデビルも怖がりラクーンの近くにしがみつく
「大丈夫だ、何とかなる、ほらそこに人影が・・・・」
「え?ホントだ・・・・でも・・・」
彼が指差す先には確かに人影がいるが、動きと見せない。
「どうしたんだろう?ご主人様?」
「さぁ?近づいてみれば分かるんじゃないか?」
というとラクーンは歩き出す、その後にプチデビルもトコトコと歩く
人影が近づくにつれ姿も分かってくる、そして彼らが見たものは
「なっ・・・・なんだこれ?」
それはライオンの形をした氷像だった。
「氷像・・・ですね?」
「にしてはかなりリアルじゃないか?」
普通の職人でさえ作り出せないほど似すぎている。
それに手を差し伸べ助けを求めているような格好だった。
正直言って不気味である。
「ね・・・ねぇ、ご主人さ・・・・」
喋りかけるプチデビル、しかし言葉が途切れる。
その異変にラクーンは
「おい、どうしたん・・・だ?」
彼がプチデビルの方向に向くと、そこには彼女に良く似ている氷像があった。
「なっ・・・プチデビルが・・・凍って?」
少しの思考も束の間、その現象が彼にも及ぶ。
「かっ・・・・身体がっ」
冷気が彼にまとわりつく、そして身体が白く凍り付いていく
「くっ・・・まさかあの獅子もプチデビルも・・・」
凍結はすぐ首まで及んでいた。
彼のお気に入りの服も狸の尻尾も凍り付いており動くことすら不可能だった。
「こんな・・・こと・・・が・・・」
首から上も白く染まり動かなくなった。
動くものはくすくす笑う一人以外は皆凍りついて動かなかった。
「みんなどこぉ〜?」
所変わってバニーはみんなを探すために歩き回っている。
「う〜ん、こんなに霧が深くちゃわからないぉ〜」
など言っていると、急に何かにつまづいて転んでしまう
「わっ・・・・痛ったぁ・・・・」
当たってもいない頭をさすりながらつまづいた場所を確認する。
「え?何コレ?」
氷像・・・見るからにしてそうと言うしかない、その姿は何かから逃げようと倒れながら後ずさりしているキャットだった。
バニーはその氷像のきれいな光沢に見とれる。
その瞬間、バニーは寒気を感じる。
「寒い・・・・夏なのになんで寒いんだろう?」
その場から立とうとしたつもりだった、しかし立てなかった。
バニーの足は既に彼女の目の前と同じものになっているからだった。
「え?・・・・え?・・・・どうして私凍っちゃってるの?」
周りの冷気にも気づかず凍り付いていく自分の手を見ながらパニックを起こしている。
「あわわ・・・う・・・・動けな・・・い・・・・」
喋ることすら出来なくなった彼女、意識がなくなる直前にどこかで聞いた少女の声がした。
聞いた後に考える暇も無く彼女は動くことは二度と無かった。
「ふふっ・・・またかわいい子の氷像が増えたね?」
そのころドラゴンはあわてずにその場から動くことなく考えていた。
(異常な霧・・・誰かがやったとして思えない・・・・)
「ふふっ、あなたは気づいてたのね?」
ドラゴンの後ろから少女の声がする、その方向に向くと
今日出会ったばかりのシープだった。
「やっぱりお前か・・・氷のように透き通ったような水色の髪のシープ・・・」
「だとしたらどうするの?」
ドラゴンは杖を構え、攻撃態勢をとる。
「なら君を倒す」
「ふふっ、まだあなたの立場分かっていないようね?」
シープは余裕の微笑をもらす。
「そう、この霧は私の世界そのもの・・・あなたの凍結なんていとも簡単よ」
そういうとドラゴンの足は凍り付いていく
「なっ・・・・」
「ふふ、異変に気づいたごほうびに教えてあげる」
そういうと今度は両腕を凍らせる。
愛用の杖も氷に包まれ、魔法の制御すら出来なくなる。
「私はペットのユフィカの雪の魔法でこの世界を作り出しているの・・・」
そういいながら途中から凍りついた足も完全に凍らせる。
「何?普通はそんなことは出来ないわけが・・・・」
「それが出来ちゃったのよ、以外にも・・・ね?ユフィカちゃん?」
にっこりと微笑むシープ、ペットのユフィカもつられて子悪魔な微笑をもらす
「はい、私の力は人を凍らすことも出来ちゃいますよ」
そしてドラゴンの身体も氷像と化す、彼は抵抗が出来るはずも無くただ彼女らの話を聞きながら被害者となるしかなかった。
「お喋りが過ぎちゃったね?ふふっ、最後はゆっくりと氷付けにしてあげる」
「やっ・・・やめっ・・・・」
口が凍りつき、話せなくなる、瞳も凍りつき目の前は闇が広がるのみ
そして頭までもが凍りつき思考が停止する。
「これであなたもみんなと同じね・・・・」
「今日はたくさん集まりましたね〜」
シープとユフィカは凍ったドラゴンを見つめながら話している。
「最近、行方不明になる人が多いよ」
「そっかぁ、じゃあ気をつけなくっちゃね」
ラクーンとライオンが話しているよそにシープが話しかけてきた。
「あのぅ・・・ちょっといいですか?」
「ん?どうしたんだい?」
照れながらはっきりした言葉で伝える。
「PTに入ってもよろしいでしょうか?私一人じゃ心細くて・・・・」
「いいよ、獅子も問題ないね?」
慣れた言葉で話すラクーン
「うん、いいよ」
「あ、ありがとうございます・・・」
にっこりと微笑むシープ、しかし・・・
「あれ?霧だ?」
「あちゃぁ・・・こんな時にかぁ・・・」
氷のように透き通ったような水色の髪のシープと
かわいい雪の妖精に出会ったら・・・・・
その少女達によって氷の彫刻にさせられてしまうかもしれない・・・
もしかしたら次はあなたかも・・・・?
おわり