作:ぶろんず
2月7日、PM23:00 今夜はよく冷える。
しがない普通のOL、花山香織(27歳独身)は残業で遅くなり家路を急いでいた。
「部長のやつ、またセクハラを・・」などと愚痴をこぼしながら早足で急いで家に向かう。
カツカツカツ・・寒い深夜の人気のない道にヒールの音だけが響く。
カツカツカツ・・
シクシクシク・・・
「ん?」花山香織(OL27歳独身)ふと足を止めた。
誰かがすすり泣く声が聞こえたような気がした。
何も聞こえない。やっぱり気のせいか。
カツカツカツ・・
シクシクシク・・
また聞こえたような・・・疲れてるのだろう。
カツカツカツ・・
シクシクシク
気のせいじゃない。誰かこの辺で泣いている。
少し怖くなってきた。なんとなく振り向いてしまった。
・・・・・
いた・・。後ろの電柱のところで女の子が泣いている。
一瞬ドキッとした、だがお化けとかじゃなさそうだ。
何故こんな夜中に一人で泣いてるのか?気になってきた。
近づいて事情を聞いてみることにした。
「どうしたの?迷子になったの??」
「シクシク」
「泣いてちゃわかんないよ。おうちの電話番号わかる???」
「帰ってきちゃ・・いけないって言われたの・・」
「ええ・・」
「綺麗な石見つけて帰らないとおうちに入れてくれないの・・」
なんか酷い話だなと思ったが、とりあえず泣き止ませないと・・
「じゃあ、一緒に探してあげるから、泣かないで」
「ほんと??」「あれ??」
「どうかした??」
「おねえちゃん・・よく見たら、すっごく綺麗だね」
女の子が花山香織(OL27歳独身)の顔を見たとたん、
「見つけた・・・・」
表情が変わった。
急に笑顔になった。ただ、子供の無邪気な笑顔ではなかった。
悪寒が走るなにか、邪悪な笑顔だった・・
(怖い!!!)
花山香織(OL27歳独身)はとっさに思った。そしてこの場から逃げ出そうとした。
しかし、体が動かない。恐怖のあまり腰が抜けたようだ。
「よかった、探し物がむこうから来てくれて」
女の子は片手で花山香織(OL27歳独身)の顔をわしづかみにした。
恐怖のあまり、もがき暴れる花山香織(OL27歳独身)だったが、女の子の力はものすごく、そのまま電柱に押し付けられた。
すると、
ずぶずぶずぶ・・
(電柱に入ってる!!!??)
花山香織(OL27歳独身)の身体がそのまま電柱にんでめり込んでいく。
「いやああああぁぁぁぁ!!やめ・・・・・・
ずぶずぶずぶ・・・・・・・・・
「できた」
女の子が手を離すと、花山香織(OL27歳独身)は完全に電柱と一体化していた。
硬いコンクリートの柱から何かにつかもうとしたと見られる右腕が伸び、美しくも悲壮な美女の顔がくっきりと浮き出ていた。
花山香織(OL27歳独身)はまさに美しい石の柱と化していた。
「やっと、おうちに帰れるよ」
そういうと女の子は電柱を引っこ抜いてしまった。
そして、悠々とOL石柱をかついで何処かにさっていった
ランランラン〜〜〜♪
美女の皆さんは夜中に女の子がひとりで泣いていても声をかけないでください