修学旅行

作:牧師


北海道札幌市、真っ白な雪の舞う大通り公園の一角に作られたひずみの内部。
二人の少女が対峙していた。
一人は長い髪を大きな黒いレースのリボンで纏めた、真っ黒なゴスロリスタイル、
身長が百三十センチほどの小さな少女。
もう一人は短めの髪を後ろで纏めた、薄いピンクのワンピース姿の少女。
身長は百四十五センチほどだ、右手で押さえている少女の左腕は、
既に白く硬い大理石に変化していた。
「くすくす、そろそろ観念してファルのコレクションになれば良いのに・・・」
ファルはクスクスと笑いながら、ワンピース姿の少女に語りかけた。
黒いゴスロリ少女の指にはオニキスの指輪が輝いていた。
「冗談じゃありませんわ、貴方が私の友達にした事を絶対に許しません」
少女の傍らには、二人の少女が白い大理石像に変えられていた。
二人とも全裸にされており、服は小さな欠片になって、足元に散乱していた。
「最後はとーっても気持ちよさそうだったでしょ?貴方も左手が気持ちいいはず」
ファルの言う通り、大理石に変わった少女の左手から心地良い感覚が襲っていた。
「無理矢理感じさせて、気持ち良いも無い物ですわ。マジカルジャベリン!!」
少女は快楽に抗いながら、無事な右手をファルに向け、魔法の槍を放った。
「マジカルシールド」
ファルは指輪を付けた右手をかざし、魔法の盾を出現させて魔法の槍を防いだ。
「魔法少女の力って便利ですよね。少し改造して使わせて貰ってるわ」
ファルは以前倒した魔法少女の指輪に魔族の力を上乗せして変身していた。
黒いゴスロリの格好が変身したファルの姿だった。
「そろそろ貴方も石に変わると良いわ、それっ」
ファルは少女に近づくと、少女の腹部を指で一撫でした。
撫でた所の服が大理石に変わり、ひび割れてポロポロと次々に剥がれ落ちていく。
「抵抗されると面白くないから、先に右手も石にしてあ・げ・る」
ファルは少女の右手を掴み、パキパキと音を立てて白い大理石に変えていく。
少女は必死に大理石に変えられた部分から押し寄せる新たな快楽に耐えていた。
「いつまで耐えられるかな?次は右足よ、ふふっ、みるみる大理石に変わっていくよ」
少女の右足が触れられている太ももから、上下に白いシミを拡大させていく。
靴下や靴も大理石に変わり、それぞれ小さな欠片になって、ポロポロと剥がれ落ちた。
『感じちゃ駄目、耐えなくちゃ・・・、ああっ、こ・・声にでちゃうっ』
「ああんっ、ひゃん」
少女はとうとう我慢の限界に達し、唇から喘ぎ声を漏らし始めた。
「左足〜、おへそ〜、ふふっ、気持ち良い?」
少女の左足とヘソの周りも石に変わった服が剥がれ落ち、体も白い大理石に変わる。
ファルは右手を胸の膨らみに、左手を少女の膣口に伸ばして行く。
「気持ち良くイッちゃえ」
そう言うと、ファルは少女の胸を揉み、膣口をショーツ越しに摩りあげた。
「ああああぁあん、いいっ、気持ち良いッ」
ショーツもスカートも上着もブラも、次々に白い大理石の欠片になり剥がれ落ちる。
少女の体が大理石に変わる程、押し寄せる快楽の波は激しさを増していく。
「おねがいっ、もうとめてっ、わたし・・・、おかしく、おかしくなっちゃうっ」
口から涎を垂らし、体をビクンビクンと痙攣させながら、少女はファルに懇願した。
「あははっ、じゃあ止めてあげるね、完全に石になっちゃえ」
ファルは少女の頬を撫で、少女を完全に真っ白な艶々とした大理石像に変えた。
少女の指にはめられた魔法の指輪だけが、大理石に変化せずそのままの姿を保っていた。
「この指輪だけは石にならないんだよね、今回はそのままにしててあげるよ」
ファルは少女達をひずみの一角に集め、角度を調整していく。
「飾り付け完了、次はどんな子を加えようかな・・・」
ファルはひずみを抜け、次の獲物を探し始めた。

雪白眉小学校の六年生が札幌に修学旅行に来ていた。
JRタワー、旧道庁、時計台などを周り、学年単位での市内観光を済ませて、
子供達は班毎の自由時間を満喫していた。

神道豪は小学生に似合わない物腰で、カニを選んでいく。
「このタラバガニを此処に送ってくれ」
二条市場で何匹かのタラバガニを選び、指定の場所に送る手続きをしていた。
後ろで同じ班になった七名の生徒が、つまらなそうに待っていた。
「待たせてすまなかった、此処からなら直ぐに大通り公園に戻れる」
八人は横断歩道を渡り、大通り公園のテレビ塔前に戻った。
そのままテレビ塔を見学し、楽しい自由時間を過ごした。
「さっき俺の都合で待たせたからな、そこのロイズで生チョコを買ってきた、
 ホテルに帰った後で食べると良い」
豪は同じ班の少女達に小さな包みを渡すと、集合場所に向かい始めた。

ホテルに着くと少女達は豪に手渡されたロイズの生チョコを食べ始めた。
「おいしい、チョコが口の中で溶けてるみたい」
「こんなチョコの事、良く知ってるよね、ねえねえ、神道君の事どう思う?」
生チョコを口に運びながら、少女達は豪の事を話題にしていた。
「夏休みの後から急に大人っぽくなったよね、まるで別人みたい」
「うんうん、かっこいいし優しくなったよね、他の男の子みたいに乱暴じゃないし」
夏休み中に英雄の宝珠を手にし、異空間での修行で言葉遣いなどが変わったため、
その事を知らないクラスメイトからは、まるで別人になったかのように見えていた。
豪自身は高すぎる身体能力を抑えるために、かなりの苦労をしているが、
その事で他人にきつく当たる事は一度も無かった。
「調理実習の時に作った料理もおいしかったよね、テストも毎回満点だし」
豪は異空間の修行で料理や勉強もしていたので、戦い以外の部分も完璧にこなした。
「神道君、誰か好きな人とかいるのかな?」
「誰も告白とかしてないよね?」
大人びた態度や抑えていても発散される威圧感の様なものが、豪に告白を考えている、
たくさんの少女達に二の足を踏ませていた。
「いけない、そろそろ広間に行かないと晩御飯はじまるよ」
少女達はチョコを食べ終えると、急いで大広間に向かった。

夕食も終わり、八時過ぎに三人の少女達がホテルを抜け出し、
雪の降り積もる大通り公園に向っていた。
「夜のホワイトイルミネーション綺麗だよね」
公園内に燦然と輝く光のイルミネーション、白と青の光が煌き電飾のスズランなどが
幻想的な世界を作り出していた。
「うん、神道君と一緒に歩きたかったな・・・」
ののかが他の二人に聞こえない様に小さな声で呟いた。
彼女の脳裏には豪と手を繋いで歩く自分の姿が浮かんでいた。

しばらく歩いたののか達を突然、淡い光が包み込んだ。
ののかが次に目を覚ますと、ファルの作り出したひずみの中に捕らえられていた。
「ここ何処・・・」
ののかが辺りを見渡すと、二つの大きなピンクのベットが目に入った。
片方のベットの上に白い何かを発見した、もう一方のベットには二人の人影が見えた。
「さおりちゃんとそらちゃんかな?ねえさおりちゃん、そらちゃん、ここ何処なの?」
二人の人影を友達だと思いののかは声を掛けた。
「ああん、いやっ、あああっ、体が石になってるっ!!イヤッ、イヤァァァァッ」
その時、二人の人影の見えたベットからさおりの声がののかの耳に聞こえた。
その内容が理解できず、ののかはさおりに聞き返した。
「さおりちゃんどうしたの?なにかあったの?返事をして」
ののかの問い掛けにさおりが答える事は無かった。
二人の人影の見えたベットから、ムクリと黒いゴスロリスタイルの少女が体を起こし、
ののかの寝かされているベットに近づいてきた。
「お友達のさおりちゃんとそらちゃんは大理石像に変わったから、返事が出来無いよ」
ファルはののかに近づくと、にっこりと笑みを浮かべながら話しかけた。
「石に・・・?そんな事できるわけないよ、さおりちゃん、そらちゃん!!ああっ」
ののかがベットの上に視線を向けると、そこにはさおりとそらが一糸纏わぬ姿のまま
真っ白な大理石に変えて寝転んでいた。
「貴方も石に変えてあげるよ」
ファルはののかの細い足に指を這わせる、指が触れた所から白い大理石へ変化していく。
「ああっ、足が石に!!あんっ」
足が石に変わる衝撃と共に、甘い感覚がののかの体を駆け抜けた。
『なに今の?石になった足がすごく気持ち良いよ・・・』
ファルはののかの反応に満足したのか、両手足を大理石に変えると一旦指を止めた。
「ふふっ、石に変わるのがそんなに気持ち良い?ここがすっごく濡れてるよ」
ファルはそう言ってののかの割れ目にそっと指を這わせた。
愛液でぐしょぐしょに濡れたかわいいショーツが、ピキピキと硬化する音を立てて、
白い大理石の欠片に変わり剥がれ落ちていった。
「ああんっ、気持ち良い。ああっ、いやっ、こわいよっ、なにかくるよぉっ」
ファルに触れられ、秘所を大理石に変えられ、そこから激しく押し寄せる快楽の波で、
初めて訪れる絶頂の感覚にののかは戸惑っていた。
「大丈夫、何もこわくないよ。そのまま気持ち良い感覚に身を任せて・・・」
そう言いながらファルはののかの胸を摩り、小さなふくらみを白く難い大理石に変える。
大理石に変わった胸から齎される新たな快楽がののかを襲った。
「いっちゃいなさい」
「ああああぁぁっ、いやったすけてっ、おかあさん!!しんどうくん!!」
ののかは絶頂の中、豪の名前を叫びながら完全に白い大理石像に変わった。
「おかあさんに、しんどうくんね、残念だけどここには誰も助けに来てくれないわ」
ファルは唇に優しくキスをすると、ののかのからだに舌を這わし、精気を吸いはじめた。

同時刻ホテル内。

豪は夕食を済ませると、置いてあった夕刊を読みながら何気無い時間を過ごしていた。
「尋ね人に三人も・・・、ここでも魔族が暗躍してるようだな」
新聞の尋ね人の欄に、最近行方不明になった何人かの名前が記されていた。
「この地にも神の力を持つ者がいるだろうし、余計な手出しはやめておくか」
修学旅行中という事もあり、豪は魔族退治をこの地区の魔法少女達に任せようと思った。
〈たすけて!!おかあさん!!しんどうくん!!〉
その時、聞き覚えのある声が豪の頭に響いた。
「やれやれ、厄介事は時を選ば無いな、魔族も運が無いといえば無いが・・・」
豪は新聞を棚に戻すと、そのままホテルを後にし、声の聞こえた方に足を向けた。
「大通り公園か。こんな人気の多い場所にひずみの入り口を作るとは・・・」
豪は辺りの人波に気を配り、一瞬のうちにひずみの内部に侵入した。

ひずみの中で豪が見たものは、ベットの上で大理石像に変えられ、精気を貪られている
変わり果てたクラスメイトの姿だった。
「まったく、魔族とはお前の様な性格の奴ばかりなのか?悪趣味にも程がある」
その時初めてファルは豪の存在に気がつき、ののみから舌を離して、ベットを降りた。
ファルは右手の指にオニキスの指輪をはめているだけで、他は一糸纏わぬ格好だった。
「へぇ、少しは魔族の事を知ってるみたいね、指輪をはめていない所をみると、
 貴方は魔法使いじゃないわね。面白い物を見せてあげるわ」
豪の手に指輪が無い事を確認して、指輪をはめた右手を水平に伸ばした。
「魔の力よ、この身に力を与えなさい」
指輪から現われた黒い花びらがファルの全身を覆い隠す、花びらが全て消え去ると
黒いゴスロリ衣装に身を包んだ、暗黒の魔法少女が姿を現した。
「変身完了。暗黒の魔法少女ファル、貴方も気持ち良く石にしちゃうよ」
決め台詞のつもりか、豪を指差すと楽しそうに言い放った。
「魔法少女の力まで奪ったのか。指輪だけが変身の鍵だと思わない事だ。来い!!」
豪の前の空間に光が集まると、紅いカブトゼクターの姿に変わって行く。
同時に腰にはライダーベルトが出現していた。
「変身!!」
豪がカブトゼクターを腰のライダーベルトに装着すると、体中に光の粒子が集まり、
全身を銀色のマスクドアーマーで包み込んでいった。
「あ・・・貴方、指輪の力も使わずに変身ができるの?」
驚くファルに構わず、腰のカブトゼクターに力を送り込み、角の部分を握り締めた。
「キャストオフ」
角を操作すると豪の全身を覆う銀色のマスクドアーマーが吹き飛び、ファルを襲った。
「マジカルシールド!!」
ファルは瞬時に魔法を発動させ、飛び散るマスクドアーマーのパーツを弾き返した。
豪は顎のローテートを基点にして真紅の角を競り上がらせ、完全に変身が完了した。
黒いライダースーツ姿、上半身を真紅のブレストプレートに身を包んだその姿は
仮面ライダーカブトを模写していた。
「良い事を教えてあげるわ、私の手に触れると彼女達みたいに石に変わるのよ。
 貴方、武器が無いみたいだけど、私の手に触れる事無く戦う気なの?」
武器を持っていない豪の格好を見て、ファルが勝ち誇った様に言い放った。
「時間が勿体無い、悪いが勝負を急がせて貰う。クロックアップ」
豪が腰のベルトの側面に手を触れると、次の瞬間、時間が停止した。
ファルの眼には豪の姿が一瞬で消えたように見えている事だろう。
豪は走ってファルとの距離を詰める。
「ワン・ツー・スリー・・・」
腰のベルトに力を注ぐと、豪の右足に凄まじい程の神の力が送り込まれる。
「ライダー・キック」
豪がファルの体を蹴り抜くと、ファルは吹き飛ばされた格好のまま空中で止まった。
「クロックオーバー」
停止していた時間が動き出すと、空中で止まっていたファルが後方に吹き飛ばされた。
「え?何が起きたの?ああああっ」
ファルはそのまま灰の様になり、かき消すように消えていった。
「魔族に長い期間捕らえられていた人の精気を元に戻さないといけないな」
豪は無数の光の球を生み出すと、少女達の体に送り込んでいった。
「これで良い、早くホテルに戻らないといけないな」
急いだ豪は、先生達に無断外出が発覚する前にホテルに戻る事に成功した。

翌朝

「神道くんおはよう」
ののかはロビーで新聞を読む豪の姿を見つけると、にこやかに挨拶した。
「ああ、おはよう」
昨日、助けた時にののかの裸を見ていた為、若干声のトーンが変わっていた。
「助けてくれてありがとう、裸を見た事は気にしなくて良いよ」
ののかは小さな声で豪に囁いた、彼女には何故か記憶が一部残っていた。
「じゃあね神道君、今日の自由時間は二人っきりで歩こうね」
豪は軽やかに駆けて行くののかの後姿を溜息を吐きながら見つめていた。


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