海水浴

作:牧師


 燦然と輝く眩しい日差しの降り注ぐ海岸、白い砂浜に何処まで見通せそうな程に透き通った海。
 まだ海水浴シーズン本番では無いせいか、砂浜に人の姿はあまり見かけられなかった。
「うう〜ん、と〜ってもいい気持ちっ!!」
 そんななか、一人の少女がまるで人魚のように、軽やかに泳いでいた。
 少女の名は清水花凛(しみずかりん)、近くの巌美学院の生徒だった。
 大きな黒い瞳と小さな唇、豊かな胸をプルンプルン揺らしながら少しウエーブの掛かった長い黒髪を靡かせる姿が男子生徒を惹きつけてはいたが、まだ誰とも付き合った様子は無く、デートの誘いも断り続けていた。
 花凛は特に部活には所属してはいない為、天気のいい休みの日は家から程近いこの海岸で海水浴をたのしむ事にしていた。
 少し沖まで出た花凛は仰向けになり長い黒髪を水中でユラユラと揺らしながら、何処までも蒼い空をみつめていた。
「っ!!何?」
 突然、花凛の足や手に針で刺された様な激しい痛みが走った。
 花凛が水中を見ると1匹のクラゲが長い触手を花凛の白く細い手足に絡めていた。
「こんな時期なのにクラゲに刺されるなんてついてないな・・・」
 花凛はクラゲの触手を払い除けると、ジンジンと襲い来る痛みに耐えながら近くの小さな無人島に泳ぎ着いていた。
 痛む手足を引き摺るように、岩陰に腰を下ろした花凛はクラゲに刺された場所に指を伸ばした。
「腫れて・・・ない?うわ・・・嫌だ灰色に変色してる」
 クラゲに刺された場所は赤く腫れ上がる事は無かったが灰色に変色していた、花凛が良く見るとジワジワと灰色のシミの部分は大きくなっていた。
「痛いかな?痛くないよね?あ・・・硬っ、ひゃあああん!!」
 灰色に変色した脹脛に恐る恐るそっと右手の指を這わせた花凛は、変色した部分のまるで石のように硬い感触と、全身を駆け抜ける甘美な刺激に思わず声を上げていた。
「はぁ、はぁ・・・なに?今の感じ・・・」
 唇から熱い吐息を漏らし、瞳を潤ませながら、快楽に誘われる様に花凛は再び灰色の石に変わった脹脛に指を伸ばした。
「あああっ、凄いっ!!」
 花凛の細く白い指先が灰色の石に変わった脹脛に触れる度に、脳髄まで突き抜ける様な甘く蕩ける様な快感が突き抜けた。
 脹脛の一部と二の腕の一部を灰色に染めていた石化は、じわじわと花凛の体から体温と白に近い肌色を奪い、硬く冷たい石へと変え続けていた。
 石化が進むと花凛の体を襲っていた甘美な快感はより一段と強まり触ってもいないのに水着越しでもわかる位に乳首は尖がり、薄いピンクの水着を秘所から際限なくトロトロと染み出た愛液が、より一層濃い色に彩り始めていた。
「ダメ・・・、もう我慢できないっ!!んくっ、ひゃあああん、イイッ、すごくいいの〜」
 花凛は左手を水着の上から五本の指で大きな胸を鷲掴みにすると、形が崩れる程強く揉み解し、硬くなった乳首をコリコリと摘まんで、貪欲に快楽を貪っていた。
 胸を揉みしごていた花凛は、潤んだ瞳で秘所を見た後、ゆっくりと右手を股に伸ばし、ネットリと濡れた水着の下に指を這わした。
 水着の下に花凛の指が滑り込むと、愛液で湿った水着がヌチュヌチュと音を立てたが、花凛はそのまま人差し指と薬指を使ってピンク色のヒダを捏ねる様に愛撫していた。
「ああっ、ダメッ!!お・・・お腹の奥が疼くの、子宮がキュンキュン疼いちゃう!!」
 トプットプッと銀色の愛液を滴らせ、ヒクヒクと痙攣する陰口に指を忍ばせると花凛は迷う事無く膣内に指を進入させた。
「指が・・・指が気持ちイイッ、ふぁっ?あれ?指が・・・動かない、左手も・・・どうして?」
 柔肉を捏ね回して快楽を貪っていた花凛の指が、僅かに曲げた状態で硬い灰色の石へ変化していた、胸を揉みしだいていた左手も、豊かで形の良かった胸をイビツな形に歪めたまま、掴んでいた胸も一緒に灰色の石へその姿を変えていた。
 それでも花凛は体を揺らして石に変わった左手が柔らかさを失った胸にカチカチと軽くぶつかる度に体を駆け抜ける快楽を求め、更に貪欲に甘美な感覚を得る為に、硬い灰色の石になっている右手の指先で堪った銀色の愛液を掻き出すように膣口を刺激していた。
「あああっ石に・・・私石になってる!!でもでも・・・石になった所がこんなに気持ちいいんだもん、いいっ、もう石になってもいいから気持ち良くなるの!!あああっ」
 石に変わった足首や長い髪の毛がジャリジャリと音を立てて石や砂に擦れる度に、花凛の身には更なる快楽が訪れていた。
 クチュクチュと蜜と柔肉が音を奏でていた秘所も、今は硬い石に変わった指先と硬い陰唇のぶつかるカチカチと乾いた音を響かせるだけになっていた。
「ん・・・イイッ・・・あ・・・」
 足を投げ出した格好で右手を股に、左手を胸に当てたままの姿で花凛はその体の殆どを灰色の石に変え、生身の部分は唇の周りと右の瞳を残すのみとなっていた。
 それでも花凛は波飛沫が風に流され、石の体を濡らす度に僅かに齎される快楽に酔いしれていた。
『あはっ・・・、きもち・・・いいな・・・』
 ぼんやりと波間をみつめていた虚ろな右の瞳もゆっくりと光を失い、やがて花凛は小さな無人島に佇む石像にその姿を変えた。
 その島の近くの海底には無数の石像が沈んでいた、やがて花凛も波に浚われて、その石像の群れに中に紛れて行った。


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