作:牧師
殆ど石に変わっていた喉の奥からそれだけの言葉を搾り出し、麻衣香は完全な石像に変わり果てた。
少しの間、ほんのりと温かかった石の肌は直ぐに体温を失い、冷たい石の感触だけが残された。
「綺麗…。元が美人だと石像になっても流石に違うな〜。少し妬けちゃうよ。さてと、此処において置く訳にもいかないし…」
智香はベットの上で石像に変わった麻衣香に、ひずみの中をイメージして鏡を向けた。
鏡から白い光が放たれ、その光が麻衣香を包み込み、光が収まると石像に変わった麻衣香の姿はベットの上から消えていた。
石像に変わった麻衣香はひずみの中へと送られ、そこにあるたくさんの少女の石像と一緒に並べられていた。
智香は麻衣香を石像に変えた後、保健室を訪れた女生徒を麻衣香と同じ方法で十人石像に変えて、ひずみに送り込んだ。
この数日の内に智香に石像に変えられた女性は、麻衣香を含めて二十五人。
その石像は永遠見台学院の生徒だけはなかった。
運悪く智香に鏡を向けられ、催淫の光を見せられたOL風の女性は熟れた身体を激しく乱れさせた姿で石に変えられ、
近くにある小学校に通う数人の少女は、強制的に齎される甘美な刺激が何か理解する事も無く、
際限なく訪れる快楽に身を任せて、淫靡な姿で灰色の冷たい石へと変えられていた。
智香や鏡型の魔族に着ている服まで石に変えるだけの力が無いのか、少女達は冷たい石の身体にまだ温かい身体だった頃に着ていた服を、
そのまま身に着けていた。
「ねえ魔族さん、あなたの魔法ってもう少し便利にならないの?使えるのが鏡越しだけだし、しかもすっごく範囲狭いし…」
更に数日後、五十人を超える女性を石像に変えた智香が、鏡型の魔族に不満をぶつけていた。
狙いをつけた女性に直接鏡を見せないといけない為、智香は女性に魔法をかけるのにかなり苦労していた。
「それに恋人のいる人間は極力避けろって、そんなの無理に決まってるじゃない」
男と一緒に歩いている女性をターゲットから外すこと、そんな注文も鏡型魔族は智香にしていた。
それは魔族が極力危険を排除したいが為に、無茶だとは思いつつも智香に徹底させていた事でもある。
<何度も言うけど見つかるとまずい連中がいるのよ、見つかったが最後、私だけでなくあなたも退治されるわよ>
今の状態で戦闘になれば、殆ど何の攻撃方法も持たない鏡型魔族は只の的に過ぎなかった。
五十人を超える女性を石像に変え、その精気の一部を吸収した智香も、殆ど全てを自らの美貌のために使っていた為、
一切の攻撃方法を持たず、石に変えられてひずみに並べられている少女達となんら変わりは無かった。
それらの理由から、今見つかる事は二人の破滅を意味していたが、敵の存在を知らない智香は今一つ緊張感に欠けていた。
<まあいいわ、とりあえず後十人程、女性を石像に変えて貰えるかしら?そうすれば私は新しい力を手にする事が出来るわ>
鏡型魔族にそう頼まれた智香は何の疑いも持たず、新たな石像を作るために、住み慣れた町へと戻っていった。
翌日、新年を向え、すっかり年賀ムードになった街角で、智香は石像に変える女性を選んでいた。
『う〜〜〜ん、同じ石に変えるなら可愛い子の方がいいんだよね…。なんて言うか、精気が美味しいし、ひずみに飾るのにもいいし…』
一週間程前まで、どちらかと言えば智香も選ばれない方に居たにも拘らず、そんな事を平然と心の中で考えていた。
三十分程女性を品定めしていた所に、永遠見台学院の学生で智香の後輩の森園すみれが、お誂え向きに一人で歩いて来た。
すみれはミスコンの決勝に残った十人のうちの一人で、同級生が羨む程の美貌を有していた。
智香は人懐っこい後輩のすみれと一緒に居る時、表面上では一緒に笑っていたが、心の奥では言い様の無い嫉妬の炎でその身を焦がしていた。
「す・み・れっ。あけましておめでとう。丁度良かったわ」
智香はにっこりと微笑み、物陰からすみれの前へとゆっくりと歩み寄った。
「あ…あけましておめでとうございます。すみません、えっと…、誰…でしたか?」
当然の事ながら、すみれは殆ど別人に変わった智香を認識できなかった。
「ふふっ私、智香よ、苅野智香。少し変わったからって気が付かないなんてヒドイわ」
そう言いながら智香は心の中で満面の微笑を浮かべていた。
今の智香の姿は以前と比べると完全に別人だった。
固く短かった髪は、今はまるで黒く染め上げられた絹糸の様に柔らかく、ソバカスがあった顔は白磁の様な美しい肌に変わっていた。
瞳は黒目がちになり、鼻は細く美しく変わり、唇はまるで神の手で創られたかのように、薄くも厚くも無い最高のバランスで模られていた。
その上、信じられない事に智香の身長は一週間程で十センチも伸びていた。
伸びた背以上にすみれが驚いたのは、以前AAAのブラをつけていた智香の平坦な胸が、動く度にタプタプと揺れていたからだった。
「うそ…確かに声は智香先輩だけど。でもその姿…」
完全に別人ですと、流石にすみれは口に出す事が出来なかった。
「私、少しは綺麗になったかな?でもね、もっと綺麗になりたいの。だからすみれ、悪いんだけど…石になって」
智香はそう呟くと、手に隠し持っていた鏡をすみれの眼前に翳し、其処からあふれ出るピンク色の光ですみれの瞳を射抜いた。
「せ…先輩。急に何…、っ!!」
ピンク色の光を直視したすみれは、今の智香に負けない位白い肌を桜色に染め、歯を食い縛って襲い来る快楽に耐えていた。
二人の周りには他に誰も居なかったが、だからと言ってすみれは道の真ん中で自らの秘所に指を這わせて、疼く体を慰める事は出来なかった。
「すみれ…苦しそう。確かにこんな所でオナニーに耽った挙句、石に変わるのは嫌よね。だからとっておきの場所に招待してあげるわ」
智香はそう呟くと数歩下がって鏡をすみれに向け、ひずみにすみれを送り込み、続いて自らもひずみのなかへと姿を消した。
ひずみに送られて、人目が無い状態になっても、すみれは身体の奥から湧き上がる淫靡な誘惑に耐え続けていた。
形の良い唇から熱い吐息を漏らすたびに、身体は甘美な快楽を求め、心の奥を蝕んで貞淑なすみれを淫乱な情婦へと変えていった。
膣口から湧き出す蜜は、スカートに大きなシミを作り、フトモモを伝って流れ落ちた愛液は、足元の床に甘酸っぱい香りのする水溜りを作っていた。
「さあ、すみれっ、邪魔な服は脱いじゃおうね〜〜」
智香がすみれの上着に手をかけ、全てのボタンを外し、更にその下に隠されていた可愛らしいブラを外すと、
たくさんの男の子の視線を釘付けにしてきた、大きく柔らかい胸が姿を現した。
桜色に染まった柔らかい二つの胸の感触を楽しんだ智香は、愛液でびしょ濡れになったスカートに手をかけ、強引に脱がせると、無造作に投げ捨てた。
「可愛いわぁ…、もう抵抗する事も出来ない位気持ち良くなってるのね…、じゃあ…最後の一枚も脱いじゃおうね…」
すみれの可愛いショーツに手をかけ、ゆっくりと足元へと引っ張り少しずつ脱がして行くと、秘所から溢れ出た愛液が銀色の糸を引いていた。
智香は妖しい笑いを浮かべ、そのままショーツを剥ぎ取ると、既に脱がしてあった靴下や服の上に放り捨てた。
「割と思う様に精気を吸い上げれるようになったわ、今までだとこれだけ愛撫したら、もうすみれを石像に変えてしまってるはずなのに、
まだ何処も石になってない…」
鏡から放たれるピンク色の光を見た女性は快楽の沼に引きずり込まれ、智香が望む望まないにかかわらず、勝手に絶頂に達して精気を放出し、
最終的には冷たい灰色の石に変わり果てていた。
しかし、ここ数人の女性は、智香が望む速度で石化が進み、女性の身体を存分に弄んだ後で、石像に変えることが出来た。
元々他の女性とレズ行為をする事は無かったのだが、鏡方魔族の能力を得た智香は何故か女性の身体を激しく欲する様になっていた。
「すみれ可愛いわぁ…、ここ…まだ生えてなかったなんて…、んんっ〜〜っ、すべすべで良い手触り…」
まだ毛の生えてないすみれの下腹部を、智香の掌が優しく愛撫していた。
際限なく生み出される愛液を掬い取り、それを下腹部全体に擦り付けて、ゆっくりと全体をほぐし、ピンクの襞を指先で丁寧に扱き続けた。
「ま〜だ我慢できるかなぁ?可愛い淫核をこんなに固く充血させて…」
智香はもう片方の手の指先ですみれの肉芽を摘まみ上げ、親指でゆっくり円を書く様に捏ね回した。
「ああああっ!!せんぱいっ!!それぇっ…すごすぎます!!イクッ…イッちゃうっっっ!!あああああっ!!」
智香がクリトリスを捏ね回した瞬間、すみれは細い身体を仰け反らせ、ビクンビクンと何度も痙攣させて絶頂へと上りつめた。
それと同時にパキパキという乾いた音が響き、桜色に染まっていた両手足の先から石化が始まった。
「やっぱり、イっちゃうと石に変わっちゃうんだ…、それじゃあ…、ここをしゃぶるとどうなっちゃうのかな?」
智香はすみれの股間に顔を埋め、ピンクの襞に舌を這わし、わざとチュルチュルと音を立てて愛液を啜り上げた。
愛液を啜り上げる度に甘い刺激が脊髄を駆け上がり、すみれの脳裏を淫靡な快楽で満たして再び絶頂へとみちびいた。
再びパキパキという乾いた音が響き、すみれのカモシカの様な足がフトモモまで冷たい灰色の石に変わり、両手も肩まで石へ変わっていた。
すみれが石に変わっていっても智香の愛撫が終る事は無く、下腹部からヘソのラインに舌を這わして、マシュマロの様な柔らかい乳房を咥え込んで、
母乳を求める赤ん坊の様に、チュウチュウと乳首を吸い続けた。
「らめれすぅぅぅっ、こんなに…かんじたらぁぁっ、わらひぃぃぃっ、こわれちゃぃますぅぅぅぅ」
乳首を吸っている間も智香は開いている手ですみれの敏感な肉芽を捏ね回し、更なる快楽の波ですみれを絶頂へとみちびき続けた。
身体を仰け反らせたままビクンビクンと痙攣させ、絶頂に上りつめる度にすみれの身体は桜色を濃くする事無く、灰色の石に変わっていく。
充血していたクリトリスを摘まんでいた智香の指先に石の感触が伝わり、柔らかかった乳房をしゃぶっていた口にも固い石の感触しか残らなかった。
すみれの身体は殆ど石に変わり、顔と髪の毛の一部が辛うじて生身のままで残っているだけだった。
「これでお別れね、特別な口付けをしてあげるわ…」
智香がすみれにしたのは、唇と唇が軽く触れるだけのキスだった。
しかし、唇が触れた瞬間、すみれはいっそう顔を蕩けさせ、僅かに残っていた生身の部分を、冷たい灰色の石へと変えた。
智香は美しく淫靡な姿で完全に石像に変わったすみれの姿を、暫くの間じっくりと眺め続けた。
すみれの石像をみつめている智香の横で、鏡型魔族の姿が劇的に変わり始めていた。
最初は鏡が闇に包まれて、其処から床に漆黒の何かが流れ出て、ゆっくりと人の姿に変わって行く。
闇が完全に人の形になった時、鏡型魔族の姿が身体から吹き出る黒い煙に包まれ、やがて煙が晴れると其処には黒髪の美女が立っていた。
「智香。貴女のおかげで私は人型の魔族になる事が出来たのよ。とても感謝してるわ…」
元鏡型魔族は驚く智香に向ってにっこりと微笑んだ。
そしてゆっくりと右手を上げると、智香に向って差し出し、何かを小さく呟いた。
すると、智香の身体を取り囲む様に鏡が現れ、その中に智香を完全に閉じ込めた。
「ちょ…ちょっと…、何よこれ?一体何をする気なの?」
鏡の檻に閉じ込められた智香に向かい、元鏡型魔族は再び微笑んだ。
「今の貴女、精気に満ち溢れてとても素敵よ。最初に出会った時に石に変えても良かったんだけど、あの時の貴女はあまり美味しそうじゃなかったし、
貴女程度の精気を吸収して、まずい連中に見つかる愚は犯したくなかったの。でも今なら私も動けるし、貴女も望み通り美しい姿を手に入れる事が出来た、
だから今度は永遠にその姿でいられる様にしてあげるわ。貴女が他の女の子にしてきたみたいにね…」
次の瞬間、智香を取り囲んでいた全ての鏡からピンク色の光が放たれ、智香の身体を包み込んだ。
「イヤッ!!せっかくキレイになったのに石になるなんて…。ああああぁぁっ!!だめぇぇぇっ、イクッ!!イっちゃうっ!!」
智香は今まで散々少女達に浴びせてきたピンク色の光に包まれ、全身の細胞という細胞全てを性感帯に変えられて、絶頂に上り続けた。
無数の少女達を石像に変えて手に入れた、細く長くなった足も、大きく柔らかい胸も、一瞬で石へと変わって行く。
そして光が収まった時、智香は立ち並ぶ無数の石像の一つに変わり果てていた。
「さてと精気は残らず吸い尽くしたし…、ここは貴女にあげるわ。今までどうも有り難う…」
元鏡型魔族は石像に変わった智香に軽く口付けをし、無数の石像が立ち並ぶひずみを後にした。
智香は自らが石像に変えた女性達と同じ空間で、来るか来ないか分からない救いの手を待ち続ける事となった…。