「柘榴特攻!東京湾、血に染めて」

作:アッリア
イラスト:桃色河馬


「ストロベルベル!!」
ミュウイチゴの掛け声とともにハート型の武器が彼女の手の中に出現する。
「リボーーーンストロベリーーチェーック!!」
ストロベルベルから放たれた光が、無数のキメラアニマとともにエイリアンのキッシュをも飲み込む。
「うわああああっっっっっっ!!!」
そして、光がおさまった時、キメラアニマは一匹残らず消滅していた。
キッシュは深いダメージを負ったが、なんとか体勢を立て直す。
「キッシュ、大丈夫か・・・」
「ああ、なんとか・・ね・・」
ここは東京湾に架かるレインボーブリッジの上。いつもの様に大量のキメラアニマを繰り出して来た
エイリアン達であったが、仲間を失って怒りに燃えるミュウミュウ達の前に苦戦を強いられていた。
「絶対に許さないにゃん!!」
「そうですわ!歩鈴さんとれたすさんの仇討ちですわ!!」
口々に叫ぶミュウイチゴとミュウミント、そして無言で睨みつけるミュウザクロが、
パイとキッシュの二人にじりじりと近づく。
「くそっ、タルトの奴、いったい何をしているんだ!?」
傷ついた肩を押さえて、悪態をつくキッシュ。
「キッシュ、パイ、お待たせーーーっ♪」
場違いなタルトの明るい声が辺りに響いた。それと同時に、レインボーブリッジが大きく揺れる。
近くの海面が大きく泡立ち、そこから周囲に向けて波紋が広がっていく。
その泡立ちは次第に巨大なものとなり、やがて海面下から何やら巨大な影が浮かび上がってきた。
「ふにゃん!!」
「な、なんですの一体!?」
「大きい・・・」
巨大な影は、長大な蛾の羽根と脚を生やした蜥蜴のような形をしていた。
濃緑色に染め上げられたその怪物の頭上にはエイリアンの一人、タルトの姿があった。
「パイ。キッシュを連れて戻って。ここはオイラにまかせてよ♪」
「了解した・・・タルト、無理をするな・・・」
キッシュを担いで撤退していくパイ。
「わかってるって♪・・・オバサン達、このハイブリッドアニマ・ペトラワイヴァーンで
相手をしてやるよっ!!」
タルトとペトラワイヴァーンがミュウイチゴ達と対峙する。

「ち、ちょっと怖いかもにゃん!」
巨大な怪物を目の前にして、たじろぐミュウイチゴ
「お、大きけれれば、強いとは限りませんことよ!?」
「・・・一匹なら、散開してかかれば大丈夫・・・」
ザクロの一言に冷静さを取り戻すミュウイチゴ。
「そ、そうね。みんな、散開して攻撃するにゃん!!」
ペトラワイヴァーンを囲むようにミュウイチゴ達は散開し、それぞれが必殺技を放つ。
「リボーンザクロスピュア!!」
「リボーンミントエコー!!」
「リボーーーンストロベリーーチェーーク!!」
だが。
ミュウイチゴ達の技はペトラワイヴァーンの身体に届く直前で弾かれた。
攻撃が当たる直前に、ペトラワイヴァーンの全身をプリンの様なものが包み込んだのだ。
「くっ!?」
「ワザがきかないにゃん!?」
「あれは・・・歩鈴さんの技じゃありませんこと!?」
「へっへーーーーん♪オバサン達の仲間の力が、おいらを守ってくれているのさ♪」
ペトラワイヴァーンの肩に乗っかっているタルトが、心底嬉しそうに説明する。
「嘘ッ!?」
「そ、そんなっ・・・」
「今度は、おいらの番だね♪」
ペトラワイヴァーンの顎から吐き出された水流が、ミュウイチゴ達に襲い掛かる。
「ちなみにこれももオバサンの一人から頂いた力さっ♪」
それは格段に威力が増していたが、紛れも無くレタスの技・レタススラッシュそのものであった。
「きゃああああっ!!!」
「きゃっ!!」
「くっ!」
ずぶ濡れになりながら、レインボーブリッジに叩きつけられるミュウイチゴ達。
「ペトラワイヴァーンの本当の力はこんなものじゃないよ♪今、見せてあ・げ・る♪」
そう言うとタルトは、ペトラワイヴァーンを東京湾に浮かんでいる客船へと向かわせた。

「ばっ、ば・・・化け物!!」
客船の乗客の一人が発した一言が、船上をパニックに落とし入れた。、
ペトラワイヴァーンが羽ばたく度に巻き起こる黒い燐粉が、叫び声を上げて逃げ惑う乗員、乗客に降り注ぐ。黒い燐粉を浴びた人々の身体は、灰色の石へと変って、その動きを止める。
「ママ、ママァ・・・」
甲板の上を歩きながら泣き叫ぶ六歳くらいの可愛らしい少女がいた。おそらく親とはぐれたのだろう。
黒い燐粉は、容赦無く少女の身体に降り注ぐ。
「くらいよ、ママ。こわい・・こわいの。たすけ・・た・・す・・け・・・」
少女はしばらくすすり泣いていたが、やがてそれも止み、いつしか瞳から光が消え、
その身体はぴくりとも動かなくなる。彼女の全身は、灰色の石と化していた。
船の乗員・乗客全てが少女と同じ物言わぬ石像と化すのに、五分もかからなかった。

「あははははははっ!見たかい!ペトラワイヴァーンの威力を!オイラ達の力を!
このペトラワイヴァーンで、人類なんてあっという間に滅ぼしてやるよ!」
タルトの哄笑が東京湾上空に響き渡りる。そして、新たな獲物を求めてペトラワイヴァーンの向きを変えた。
東京中心部へと。

「どうすればいいの!?このままじゃ、みんな・・・みんな・・・・石になっちゃうーーーーー!!」
レインボーブリッジの上から、客船を襲った惨劇を一部始終見ていたミュウイチゴが悲鳴を上げる。
ミュウザクロが黙ったまま、ミュウイチゴとミュウミントの手を取って走り出す。
「ザクロお姉様!?どうなさるおつもりですか?」
「つもりもへったくれもないわ・・・。接近して至近距離でワザを使うだけ」
淡々と、ミントの疑問に応えるミュウザクロ。
「みんと・・・、いちごを頼むわね・・・」
ミュウイチゴとミュウミントの手を放して、橋から飛び降りるミュウザクロ。
「ザクロさん!?」
「お姉様っ!?」
橋から飛び降りた後、海面すれすれの低空飛行でペトラワイヴァーンへと向かうミュウザクロ。
もの凄いスピードでペトラワイヴァーンの真下に到達すると、今度は急上昇してその巨体へと突っ込んで行く。

「ハッ!下だね!?対空防御!!!」
真下から接近するミュウザクロに気付いたタルトが、ペトラワイヴァーンに迎撃を指示する。
ペトラワイヴァーンの脚の先が鋭く伸びて、真下から接近するザクロに襲いかかる。
「ザクロお姉様ーーーーーっ!!」
後を追ってきたミュウミントが、悲鳴をあげる。
ザクロの脇腹をペトラワイヴァーンの脚が貫いた。
「かはっ!?」
口から鮮血を吐くミュウザクロ。しかし、その瞳には強い意志をまだ宿していた。
「まだまだ!!」
ザクロの武器が淡い光を放つ。彼女の瞳には同じ光がペトラワイヴァーンの腹の中からはっきりと視えていた。
「そこっ!!」
渾身の力を込めて、手にした鞭を振るうザクロ。
「リボーンザクロスピュア!!」
ザクロの鞭がペトラワイヴァーンの腹を切り裂く。
その傷口から噴き出した大量の青い血とともに、ミュウプリンとミュウレタスの武器が海へと落ちていく。
意識を失ったザクロとともに・・・。

「よくもザクロお姉様をっ!!」
ミュウミントが怒りの形相で、ペトラワイヴァーンに光の矢を撃つ。撃つ。撃つ。
「リボーンミントエコー!ミントエコー!ミントエコー!」
ビシビシビシ!
ペトラワイヴァーンの巨体に突き刺さる光、光、光。
「グゥオオオオオオオッッッッッ!!」
愛しのお姉様を傷つけられた怒りで威力を増した光の矢は、ペトラワイヴァーンの強固な皮膚をも
薄紙のように貫いていく。
「うわああああああああっっっっっっっ!!!!」
光の矢の一本が、タルトの右目にも突き刺さった。
傷ついた目を押さえて、空中でのたうち回るタルト。
「今ですわ!ミュウイチゴ!!」
ミュウイチゴがストロベルベルを構えて、動きの止まったペトラワイヴァーンに渾身の一撃を放つ。
「リボーーーンストロベリーーチェーーク!!」
ストロベルベルから放たれた光が、タルトを巻き添えにしてペトラワイヴァーンの巨体を、貫く。
「グギャアアアアアアアーーーーー!!!」
「うわあああああーーーーっ」
ペトラワイヴァーンはブルブルと身体を震わせた。巨体がゆっくりと傾いてゆく。
「追加でデザートをサービスするにゃん!」
ミュウイチゴが止めを刺そうとストロベルベルを再度構えた時、パッと広がる霧を見た。
「えっ・・・・・・!」
ミュウイチゴはストロベルベルを構えたまま、身体が呪縛でもされたかのように動かなくなる恐怖に囚われた。
黒い霧。
それは残った左目で憎々しげにミュウイチゴ達を睨みつけるタルトの背中から噴き上がり、四方に拡散しつつもその場に留まり続け、そして凝縮して一つの形を成していく。
ミュウイチゴにはタルトの背後に、どす黒い大きな影が見えた気がした。
血のように紅い瞳を爛々と光らせ、裂けた口を大きく開けたまがまがしい影を・・・・。
「にゃ、にゃに・・・・」
言い知れぬ恐怖に茫然と立ちすくむミュウイチゴ。空中にいるミュウミントも同じ様に動けなかった。

「た、たかが数人のオバサンに・・・・」
「このペトラワイヴァーンが!やらせるもんかっ!!」
ペトラワイヴァーンにタルトが取り付く。
タルトから噴き出す黒い霧が、ペトラワイヴァーンの巨体へと吸いこまれていく。
「やられはしないぞ、オイラ達の未来がかかっているんだ」
ペトラワイヴァーンの巨体に穿たれた穴が塞がり、癒されていく。
「お前らごとときにオバサン達に、やられはしないっ」
「やられはしない、このオイラがいる限り、やられはしないぞーーっ」
傷が塞がり、なおかつ一回り大きくなったペトラワイヴァーンの鋭い脚が、恐怖で身動きが取れないミュウイチゴに襲いかかる。
「イチゴ、危ないっ!!」
咄嗟にミュウイチゴを庇うミュウミント。
「きゃあああっ!!!」
「ミント!?」
ミュウイチゴを庇ったミュウミントの背中に大きな傷ができ、鮮血が噴き出す。
「あはははははっ・・・・・心配しなくてもいいよ♪
二人仲良く、串刺しにしてあげるからさあ♪きゃはははははははっ♪」
血まみれのタルトが常軌を逸したように高らかに笑い続ける。
再び、ペトラワイヴァーンの鋭い脚がミュウイチゴに襲いかかる。
傷ついたミュウミントを抱えたミュウイチゴにそれを防ぐ術は無かった。
「きゃあっ!!!」
思わず目をつむるミュウイチゴ。しかし、いつまでたっても痛みは、・・・・無い。
おそるおそる目を開けると、そこには脚を切り落とされたペトラワイヴァーンと、青の騎士がいた。
「青の騎士!!」
「ミュウイチゴ、おまえは俺が守る!」
そして、青の騎士はペトラワイヴァーンに斬りかかった。
青の騎士の圧倒的な戦闘力の前に成す術も無く、ずたずたに斬り裂かれていくペトラワイヴァーン。
「くっそーーーっ、こうなれば一人でも多く地獄に引きずりこんでやるっ!!!」
タルトはペトラワイヴァーンの巨体を反転させると、青い血を撒き散らしながら半死半生とは
思えないスピードで飛んでいく。
その先にあるのは、石油コンビナート施設。あの巨体が激突すればこの辺り一帯は只ではすまない。
「いけないっ!!青の騎士、ミュウミントをお願いにゃん!!」
青の騎士にミュウミントを放り投げると、石油コンビナートに突っ込もうとするペトラワイヴァーンと
タルトに対して、ストロベルベルを構える。
「みんなっ、力を貸して・・・・、リボーン・・ストロベリーチェーック・・・サプライズ!!」
形を変えたストロベルベルから、先程より明らかに力強い光が放たれた。
ペトラワイヴァーンがすさまじい熱量に焼かれていく。閃光にその輪郭が滲んだ。
白煙はペトラワイヴァーン全体を覆い、その巨体を包み隠す。蒸発。全長30メートルの身体が
焼き尽くされ、気化して霧散霧消しようとしているのだ。
一気にトドメを刺そうと力を込めるミュウミントの手元に、どこからともなく飛来したタルトの
クラッカーが絡み付く。
「きやっ!?」
ストロベルベルを取り落とすミュウイチゴ。
光が・・・・止まった。
「あ、ああっ・・・・」
「へへっ、・・おいらの勝・ちだ・・ぁ・・ぐはっ!?」
空中で勝ち誇っていたタルトが、青の騎士の投げた剣に貫かれて、海へと落ちる。
白煙の中から、ペトラワイヴァーンが、その姿を現した。
全身が無残に焼け爛れている。だが、その巨体は未だ健在であった。
そして・・・・・。
石油コンビナート施設に、ペトラワイヴァーンが落着した。


それから数日後、カフェミュウミュウに差出人不明の小包が届けられた。
中には、一本のビデオテープが入っていた。
テープを再生すると、そこには暗い部屋が映し出された。
そして・・・。
ミュウザクロこと藤原ざくろが、鎖で壁に繋がれていた。
ざくろの服装はビスチェとショートパンツという、肩、おへそ、太ももが丸出しの、かなり露出度の高い
格好である。無駄な脂肪一つ無いわき腹には、大きな傷跡がくっきり残っていた。
ペトラワイヴァーンに受けたその傷が完全に癒えていないのか、その顔は蒼白だった。
彼女は、部屋に入ってきたパイを見ると、その顔に不敵な笑みを浮べた。
「何の用?」
「おまえの身体に用がある・・・」
その言葉にぎゅっと唇を噛み締め、身体を強張らせるざくろ。
やれやれといった感じで首を左右に振るパイ。
「・・・なにか、勘違いしているな。・・・わたしはキッシュと違って、ケダモノには興味は無い・・・」
ざくろは顔を真っ赤にして怒りをあらわにした。無言のままパイを睨みつける。
手にした何かの金属で出来た箱を、ざくろの前で開けるパイ。
箱の中には、震える細やかな輝きを放つ美しい珠が4つあった。
怒りに燃えるざくろの顔が、突如、驚きのそれに変わった。
「それは・・・ミュウアクア!?」
「そう・・・。お前達が探し求める純度100%のミュウアクアだ・・・」
パイは箱の中から小さめの珠をひとつ摘み上げると、自分の口に含んだ。
そのままざくろの唇に押し当てる。ざくろの目が驚愕に見開かれた。
口移しでミュウアクアをざくろに飲ませた後、パイはそっと唇を離す。
「ふっ・・・味は悪くは無いな・・・」
「ふざけ・・・あ・・ぅっ、うああああああっっっ!!」
抗議の声をあげかけたざくろの唇から、悲鳴が漏れる。
焦れったそうに身体をくねらせて、じゃらじゃらと鎖を鳴らす。
「はっ・・・、ふはっ・・・、なっ・・・なにをしたの!?」
形の良い眉を吊り上げてパイを睨みつけるざくろ。
「・・・純度100%のミュウアクアは、自然の持つ浄化能力を驚異的に高めるチカラがある」
パイはざくろの身体を頭からつま先までを舐めるように見る。ふと視線が止まる。
その視線の先にあるのは・・・・。キュッと引き締まった下腹。
その露わになったおへそには東京ミュウミュウの証である独特のアザがあった。
そのアザの上を指でなぞりながら、ざくろに淡々と語りかけるパイ。
「だが、生物兵器ミュウミュウは・・・遺伝子を弄んで創られた自然の摂理に反するモノ・・・」
「や、やめろ・・・やめ・・・」
ざくろの声が、だんだんと甘い喘ぎ声に変わっていった。
「・・・そんなお前達にとって、ミュウアクアは猛毒も同じ・・・」
ざくろが悩ましげに首を振る。切なくて、苦しくて、たまらない様子だった。
しかし、その動きさえ緩慢になっていく。
「わふぅ・・・。はあぁ・・・。ふうぅ・っ・・・・」
ざくろの口から熱い溜息が洩れる。
「ぉんっっ・・・。やめてぇ・・・」
パイが指を動かすたびに、鎖とざくろの喘ぎ声が協奏曲を奏でる。
だが、その音も徐々に小さくなっていく。
パイがなぞっていた下腹がやわらかさを失い、硬くなる。
ざくろのきめ細かくて柔らかいすべすべの肌が灰色に変色していく。
少し前後に開いた脚が、ロングブーツとともに。
身体をくねらすたびに揺れていた豊かな胸が。
つややかに毛先までキューティクルのゆきとどいたブラックオパールのように光り輝く黒髪が。
全てが、ピシピシと音を立てて、灰色に染まっていく。
「あ・・・あ・・・い、や・・・っ」
首を必死に振るザクロ。しかし、その動きはじょじょに緩慢になっていく。
「お前もじきにああなる・・・」
パイが扇を口元に当てて小さく笑う。
「・・そんな・・・」
暗闇の中に、ざくろの見知った二人の、変わり果てた姿が浮かびあがった。
「・・・歩・鈴・・・、れ・た・す・・・」
大きな岩に手足を埋もれさせて石化している歩鈴と、苦痛で身をよじらせ、
苦悶の表情を浮かべて、石版にその身を埋めているれたすの姿がそこにあった。
ざくろの表情が引きつり、絶望に染まる。
そして、くやし涙を流しながら、ざくろの全身は、灰色に染まった。




暗闇に輝く数十個のモニター。それをみつめる二人の青年。
モニターには石と化したざくろとともに、これまでのミュウミュウ達とエイリアンの戦闘シーンが
映し出されていた。
「・・戦力半減・・・いや、壊滅か。・・・もう、あいつ等も用済みだな・・・」
「そうですね・・・戦闘データもかなり採取出来ましたし、頃合ですかね・・・」
実験動物を見るような冷たい目つきで、戦闘シーンを見ていた赤坂が返事をする。
「そういや、ディープ・ブルー対策はどうなっている?」
「人造ミュウアクアを弾芯としチタンコーティングを施した弾頭を装備した特殊部隊を編成しました。
後、切り札としてミュウミュウ量産型の方の準備も進んでいます。量産型用の素体も充分な量が確保出来ましたしね」
モニターに次々と映し出される可愛らしい少女達。
彼女らはカフェミュウミュウの常連である女子中学生や女子高生達。
すでに彼女達には、赤坂の作ったデザートの中に混ぜた薬によって洗脳が施されている。
「・・楽しみですよ。私の生物兵器達が世界を制する日が来るのを・・・・」
赤坂がいちご達には決して見せない酷薄な笑みを浮かべた。
白金がやれやれという風に肩をすくめた。
「お前の好きにすればいいさ。赤坂・・・」

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