遅れて来たサンタ少女 ゆうきさんより


 今年初めてプレゼントを配る事になった新米サンタクロースの女の子コリィ、それなのに大切なイブ当日コリィは寝坊してしまいました。
 「信じられない! なにやってるんだろうアタシ ようやく一人前のお仕事が貰えたのに〜」
 ここで後悔してても始まりません 急いでプレゼントを配りに出発しましょう。
「え〜っとアタシが今回プレゼントを配るのは……固体……少…女?なんだろう どこかの施設なのかな?」 
 どうやら子供達へのプレゼントではないようです ちょっと残念ですね。
「でも記念すべき初仕事だもんね ちゃんとこなしてみせるよ!」
 まもなく目的の場所に到着しました 屋根に飛び移る時にちょっと滑りましたがなんとか無事着地です。
「やっぱりサンタの基本は『煙突から入る』よね〜♪」
 いまどきそんな基本も無いと思いますが、、、いまどき煙突なんて銭湯にもなかったりしますしね。
「あ あれ? ひゃぁ!!」
 あ〜あ 案の定やっちゃいました 滑って煙突にプレゼントとお尻がはさまって抜けなくなってしまったようです。
「うそ、、、全然抜けないよぉ う〜ん ん〜〜ッ!」 
 ビクともしません。
 そのうちにとうとう空から雪が――――
「ど、どうしよう プレゼントどころかこのままじゃ凍えちゃうよぉ……」
 まがりなりにもサンタクロース 死んでしまう事は無いでしょうがこのままではきっと朝にはカチコチに凍りついてしまいます! 降りもドンドン強くなり大雪のようです。

コリィはプレゼントを届ける事ができるのでしょうか?

 コリィが煙突にはさまって数時間・・・雪はどうやら小降りになってきました。ですが先ほどまで降っていた雪は大雪というよりはもはや吹雪だったようで、いま外に出れば 雪は膝下の高さくらいまで積ってるのかもしれません……
 果たしてコリィは無事でしょうか?
「うぅ・・・さ 寒いよォォ・・・・・・」
 どうやらまだ無事のようですが服は完全に凍ってしまってるようです。助けを求めて伸ばした左腕もそのまま動かせないようですし体に積った雪は一旦解けかけて再度凍ったためか余計に体の自由を奪っています。
「はやくプ…プレゼント アタシの初めてのお仕事……」
こんな状態でもコリィはプレゼントの事をあきらめていません ちょっとドジですがとってもマジメな女の子なんです。ですが煙突にはさまった部分も凍りつき体ははさまった時よりさらに抜けない状態になってしまってます。
「みん…な…に きっと  プレゼ…ン……と…を―――」

 可哀想なコリィ このまま最初のお仕事は失敗してしまうのでしょうか……

 あれからさらに数時間が経過しました コリィはどうなったのでしょう

 コリィはまだ煙突の上にいました でもなぜか数時間前と姿勢や表情にいたるまで寸分かわらない格好です―――― そう、煙突の上にいましたというのは正確ではありません。

 コリィは煙突の上にありました。

 彼女は数時間前すでに完全に凍結してしまっていました さっきの言葉は彼女が最後の力を振り絞って発したものだったのです。
 雪はいまでは完全に止んでいて東の空からは朝日が昇ってきました。そのためコリィの体より気温は何時しか高くなり全身に霜が降りその体も服も真っ白になっていました。
 降りそそぐ朝日はそんなコリィをキラキラと輝かせています そう・・・・・・彼女は美しくも悲しげな表情を浮かべる氷の像になりました。

 可哀想なコリィ 残念ながら最初のお仕事を失敗してしまったのです。
 いえ それよりも彼女はどうなってしまうのでしょうか。

   その時 別の少女サンタが現れました!

「わぁ〜イイカンジに凍ってるわァ〜 うん!『予定通り』ってトコねっ♪」

 彼女は丁寧にコリィを煙突から外します 凍って張り付いた部分は少しづつ体を傷つけないように氷を削っていきました。
 やがてコリィは煙突から無事に取り出されました モチロンまだ完全に凍っていて、煙突にはさまる時めくれてしまったのでしょうパンツが丸見えの状態で凍結してます。
 恥ずかしがりなコリィがもしも凍っていなければ顔を真っ赤にしてしまうでしょうが、いまのコリィはなにがおきても真っ白な姿です モチロン凍っているので隠す事すらできないのです・・・・・・

と その時「こちら」に気が付いたサンタ少女が話しかけてきました

「あ! どうですぅ〜ホラホラ ゆうきさんの大好きなパンチラ状態ですよ〜♪」
そ・・・そうですね
 
「『ご希望の』凍結サンタ少女確かにお届けしましたからね〜」
は……ハイ確かに でもこのコが煙突にはさまらなかったらどうしたんです?

「そこはホラ このコ天然のドジっ娘だから 絶対やっちゃうって思ってました」
はは……(汗)でもマジメで素直なコですよねコリィちゃん やっぱり可哀想な事しちゃったかなぁ・・・・・・

「なに言ってんですよ そういうシチュがまた大好きなくせにィ〜」
まぁ そうなんだけど(苦笑) でもこんな素敵な氷像オレ一人で楽しむのって勿体無いなぁ

「だったらお友達の皆さんにもお見せしたらどうです?」
 え? ああ!そっかぁ でもさ今が25日だよね いまからコリィを描いてたら28日頃になっちゃうけど……

「別にいいんじゃないです? それにこのコもサンタ冥利につきますよ
 何しろ初仕事は自分がプレゼントのサンタなんてなかなかなれるものじゃないし、さらに一度にたくさんの方を喜ばせられるなんてね 大丈夫 このコだってサンタですからね その気になれば1週間くらいこの状態でも全然平気ですって」
 サンタ冥利につきる……か だったら来年は君にやってもらおうかなぁ(ニヤリ)

「アハハハ〜〜……思いっきりご遠慮させていただきます!」
 ん〜残念 じゃコリィちゃんはしばらくこのままでお借りしますね

 そんなバカなやり取りの方を一体の氷像は向いています 朝日を浴びて光る姿はとても美しく真っ直ぐ伸ばす左腕 そして悲しげな表情はまるで二人に助けを求めているかのようにも見えます でもモチロンそんなはずはありません。だって霜の降りた虚ろな瞳には何も映ってはいませんし 
 そもそも―――― 

  氷像は考えたり動いたりはしないモノです……



    ――END――


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