乾いた物音で目を覚まし、またぞろうちのご主人のコレクションが増えたのかと眠い目を開ける。
空きスペースに据えられたのは、冷たい肌と意志のない瞳に不釣り合いな赤茶色の髪の人形。とうぜん若い女性を模して、いや、そのものだったんだけどさ。どうやら彫像だのカーボンだのとはまた異なった趣向のよう。
ご主人ときたら微笑むかのような彼女の唇を幾度も指でなぞったあと、紅をさして悦に入っている。永遠に美しい云々言っちゃって。何回聞かされたやら。・・・そう思っているとご主人はアタシの頭をなでながら抱きかかえてきた。
さて、今日の晩餐はなんだろう。おやすみなさい、新入りさん。