草原の女神 あおばさんより


その少女が草原の只中に何時から佇んでいるのか、知っている人は誰もいません。
冒険者が魔法で石化されたのだとも、願をかけた村の娘が願いを叶えてもらう代わりに神に召されたのだともいいます。
雨の日も雪の日も草原から村の方を見つめる少女は、いつしか村人たちの守り神として祭られるようになりました。
彼女の身体には村人たちがもっとも敬愛する女神の名前と、祝福の言葉が彫りこまれ、常に花や供え物が欠かされることはありません。
今日も暖かな日差しの元、彼女は村をそっと見つめています。


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